アメリカの首都ワシントンの動物園に中国から貸し出されたパンダ2頭が到着しました。この動物園では、1年近く前に中国に返還されて以降、パンダがいない状況が続いていただけに、アメリカのメディアは「パンダ外交の再開だ」と伝えています。

ワシントンの国立動物園によりますと、中国から貸し出されたジャイアントパンダ2頭は、チャーター機「パンダ・エクスプレス」で中国の四川省を出発し、15日、到着しました。

到着したのは、いずれも3歳のオスの「バオリー」とメスの「チンバオ」で、隔離の期間を経て来年1月24日から一般に公開される予定です。

この動物園へのパンダの貸し出しは1972年のニクソン大統領の訪中をきっかけに始まり、50年以上にわたって米中の友好関係の象徴とされてきましたが、米中関係が悪化するなか、去年、親子3頭が返還されて以降は1年近く、パンダがいない状況が続いていました。

しかし、去年11月に習近平国家主席アメリカのサンフランシスコを訪問した際、パンダを再び貸し出すことに前向きな考えを示し、その後、今回の2頭をアメリカに送ることが決まりました。

CNNテレビは「パンダ外交の再開は、貿易や技術などをめぐり緊張が高まっていた大国のライバル関係においてまれに見る明るい話題だ」と伝えています。