「自民上回る支援」「高齢者に冷たい」維新と公明が党首討論でさや当て 関西での対決意識(2024年10月12日『産経新聞』)

党首討論会で政策を訴える公明党石井啓一代表(左)と日本維新の会馬場伸幸代表=12日、東京都千代田区(安元雄太撮影)

12日の与野党7党首の討論会で、日本維新の会公明党が応酬した。自民党の派閥パーティー収入不記載事件で争点化した「政治とカネ」などをテーマに、それぞれの主張を互いに批判。15日公示の衆院選では大阪と兵庫の計6小選挙区で直接対決するだけに、さや当てした形だ。

各党首が順に相手を指名し論戦を交わす中、先に仕掛けたのは、維新の馬場伸幸代表だ。公明の石井啓一代表に「いわゆる裏金議員の中で自民を非公認になっている人にも推薦を出している。理由と狙いを聞かせてもらいたい」とただした。

不記載事件に関わったとして自民が非公認とした小選挙区候補予定者のうち、公明は兵庫9区などで推薦を決めた。石井氏は個別に推薦要請があったとして「地元の意向を最大限尊重してやっている」と説明した。

馬場氏は「自民を上回る形で公明が支援するのは自民支持者や国民に理解が及ばない」と批判。「われわれは大阪で(比例代表との)重複立候補を辞退して挑む」と対決姿勢を前面に出した。

石井氏もすかさず馬場氏に対し、高齢者の医療費窓口負担を質問した。維新は公約で、所得などに応じて現在1~3割の高齢者負担を現役世代と同じ「原則3割」に見直すとしている。石井氏は後期高齢者の大部分が1割負担だとして、維新の公約は「急激な負担増になる」と問題視した。

「所得保障の上で3割負担をお願いすれば、病院に行かなくてもいいのでは、という人に受診を控えてもらえる」と主張する馬場氏に対し、石井氏は「窓口での支払いを嫌って医療にアクセスしない高齢者が増える。改革の名の下に、高齢者にあまりにも冷たい」と批判した。(沢田大典)