「袴田事件」無罪確定受けて日弁連が記者会見「再審制度の速やかな改正を」(2024年10月11日『TBS NEWS 』)

キャプチャ
日本弁護士連合会の渕上玲子会長が11日、記者会見を開き、無罪が確定した袴田巖さんについて「長い身体拘束で基本的人権が蹂躙された」と述べ、再審制度の改正を訴えました。
今月9日に無罪が確定した袴田巖さんの裁判をめぐっては、再審開始が確定するまでに42年がかかりました。
「再審制度」は刑事訴訟法に規定されていますが、審理の進め方や証拠開示などについて具体的に定められておらず、「審理が長期化している」と指摘されています。
日弁連の渕上玲子会長は11日の記者会見で、「巖さんは無実の身でありながら、長きにわたり身体拘束を受け、基本的人権が蹂躙された」「このような悲劇を二度と繰り返してはいけない」と述べ、「再審制度」について「速やかに改正すべきだ」と訴えました。
この会見にオンラインで参加した袴田さんの姉のひで子さんも、「巖だけが助かれば良いとは思っていません。冤罪で苦しむ方は他にもいます。『再審制度』の改正を速やかに進めてほしい」と求めました。



検事総長談話の撤回、袴田さんへの謝罪要求 弁護団最高検に抗議(2024年10月12日『静岡新聞』)
 
キャプチャ
捜査・公判全般を検証し、改革につなげる必要性を指摘した日弁連の記者会見=11日午後、都内
 検事総長の談話は、静岡地裁の再審無罪判決に控訴しないとしながら、捜査機関の証拠捏造(ねつぞう)が認定されたことに「強い不満」を表明し、控訴すべき内容だったと反発した。
 弁護団最高検に提出した抗議書で、畝本検事総長が袴田さんに直接謝罪することを要求。自白を強要した取り調べや証拠の捏造、証拠隠しなど、冤罪(えんざい)を繰り返さないために捜査・公判手続き全般を検証する重要性も訴えた。
 日弁連の会見に同席した弁護団の小川秀世事務局長は、検察だけではなく裁判所の責任も大きいと指摘した。死刑から再審無罪となった過去の4事件で裁判所が検証も改革もしていないことに触れ、本来的な検証のあり方として「第三者機関の調査が必要」と促した。
 日弁連の渕上玲子会長は「刑事司法の制度的、構造的な要因によって袴田さんの人権がじゅうりんされてきた」と振り返り、再審法の改正実現などを目指して「従前にも増して力強く取り組んでいく」と述べた。