石破首相 幹事長時に政策活動費17.5億円(2024年10月4日『しんぶん赤旗』)

事実上の“裏金” 使途「明らかにする」?

 石破茂首相が自民党幹事長在任中の2年間で政策活動費を17億5050万円受領していたことが3日、政治資金収支報告書から分かりました。政策活動費は支出を受けた政治家個人名を書くだけでよいとされ、その先の使途はブラックボックスになっています。石破氏はこれまで使途を「可能な限り明らかにする」と述べており、幹事長時代の使途を公開するかどうかが問われます。(三浦誠)


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(写真)石破茂首相が自民党幹事長だった2013年に受領した政策活動費。1回あたり5000万円の場合も。

 石破氏は安倍晋三政権のもと2012年9月28日から14年9月3日までの約2年間、幹事長を務めました。

 石破氏が受け取った政策活動費は、12年が6回に分けて計2億6000万円、13年が38回で10億2710万円、14年が28回で4億6340万円。1回あたりの金額で目立つのは3000万円です。多い時では5000万円もらっています。

 国政選挙前になると、石破氏への政策活動費が増加する傾向があります。政権に復帰した12年12月16日投開票の総選挙では、同年9月末から11月末までの約2カ月間で2億6000万円が出ています。

 13年7月21日投開票の参院選挙前には、同年1月から公示直前の7月1日までの半年間で、7億6000万円が石破氏に支出されています。これは同年に石破氏へ支出された政策活動費の約74%を占めます。当時参院では自公が過半数を占めておらず、ねじれ国会解消が自民党の課題でした。

 政策活動費は政党から政治家個人に支出される政治資金。政治資金規正法は政治家個人への寄付を原則禁止としており、脱法的な抜け道として利用されてきました。支出を受けた政治家が使途を明らかにしていないことから、「裏金の温床」などと批判されてきました。

 石破氏はこれまでに幹事長時代の使途を公表していません。報道によると、9月5日に国会内で記者団に「(使途を)可能な限り明らかにする」との方針を示しました。同月29日のNHK日曜討論では、政策活動費を「一体何に使ったかというのは、もう少し明らかにされる、少なくとも議論の俎上(そじょう)に載せたほうがいい」と述べていました。

 神戸学院大学の上脇博之教授は指摘します。「石破首相はまず過去に受け取った政策活動費の使途を公開すべきだ。政策活動費を受け取った政治家個人は使途の報告をする仕組みがなかったので、事実上の裏金になっている。政策活動費のような不透明な支出を禁止する法律改正がすぐに必要だ」

 石破氏の事務所に、使途を明らかにするつもりはあるかなど質問しましたが、期限までに回答はありませんでした。

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