◆「予算委の論戦を楽しみにしていたのに」
「石破さん、初っ端から、がっかりですよ」
自身のX(旧Twitter)にこう綴ったのは、立憲民主党の辻元清美代表代行。10月1日に発足する石破新政権で、衆院解散前には衆参両院の予算委員会を開催しない方向になったことに「石破さんなら、予算委員会でしっかり議論して、国民の皆さまに判断材料を提供してから選挙に進むと信じてたのに。私、質疑準備をし、論戦を楽しみにしてたのに」と不満をぶつけ、「やっぱり、トップを変えても正論は潰されるのが自民党政治なのね。石破さんでも無理なのね!」と書き込んだ。
石破氏は自民党総裁選で「全閣僚出席形の予算委員会を一通りやって、この政権は何を考えているのか、何を目指そうとしているのかということが、国民の皆さま方に示せた段階で、可能な限り早く信は問いたい」などと述べ、仮に早期に衆院解散する場合でも、予算委員会で与野党の質疑を受けた上で行うべきだとの考えを示してきた。
◆「かつての石破さんなら反対していた」
過去には、安倍政権や岸田政権で「解散風」が吹いた際、「衆院解散・総選挙は内閣不信任案が可決されたり、予算案や重要法案が否決されるなど、内閣と衆議院の意思が異なった場合に主権者である国民の判断を仰ぐために行われるのが憲法の趣旨であり、時の内閣の基盤を安定させるために行うといった発想はとるべきものではない」(2023年3月31日付のブログ)などと発信。首相の裁量による解散権の行使には慎重な姿勢を貫いてきた。
◆「石破氏には既に実権はないと感じる」
石破氏の「変節」に対しては、「このような判断は石破氏の本心通りなのか。側近や腹心の少ない石破氏には既に実権はなく、菅(義偉)元首相(新副総裁)や森山(裕)新幹事長らが政権を動かしているように感じる」(無所属の福島伸享衆院議員のFacebook)といぶかる声も上がる。
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