袴田巌さんの姉・ひで子さんら「再審法の改正を」 日比谷野音で2500人が集会「岩盤を打ち砕く」(2024年9月19日『東京新聞』)

 
 1966年に静岡県であった一家4人強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審公判の判決が26日に迫り、再審法(刑事訴訟法の再審規定)の改正を目指す集会が19日、東京都千代田区日比谷公園大音楽堂野音)で開かれた。冤罪(えんざい)被害者や支援者、袴田さんの姉ひで子さん(91)ら2500人(主催者発表)が集まり「法改正を実現させよう」と声を上げた。
19日、再審法改正を目指す集会に駆けつけた大勢の参加者=東京都千代田区の日比谷公園大音楽堂で(三宅千智撮影)

19日、再審法改正を目指す集会に駆けつけた大勢の参加者=東京都千代田区日比谷公園大音楽堂で(三宅千智撮影)

 日本弁護士連合会などが集会を企画した。現状では再審での無罪確定まで長期間かかることから、日弁連は検察の証拠開示に規定を設けることや、再審開始決定への不服申し立て(抗告)の禁止を求めている。
 日弁連再審法改正実現本部の鴨志田祐美本部長代行は、国会への働きかけが、改正を目指す超党派の国会議員連盟発足につながったと説明。「法務省や検察は改正に消極的。その岩盤を打ち砕くには賛同議員を増やす必要がある。皆さんの声を政治に届けて、遅くとも来年の通常国会で法改正の実現を」と訴えた。
19日、「皆さまの力で再審法を改正していただきたい」と語る袴田ひで子さん(三宅千智撮影)

19日、「皆さまの力で再審法を改正していただきたい」と語る袴田ひで子さん(三宅千智撮影)

 袴田ひで子さんは「巌の拘禁症は治っていない。それでも裁判の決着がつくのは大変うれしい。ぜひ皆さんの力で再審法を改正していただきたい」と語った。冤罪で164日間身体拘束された元厚生労働省次官の村木厚子さんは「裁判官が正しく判断するためにも、きちんと証拠開示がされなければならない」と話した。(三宅千智)