進次郎氏 予算委員会が怖い!?「早期の衆院解散」質問に“迷回答”連発 自民党総裁選候補者9人で討論会(2024年9月15日『スポニチアネックス』)

 自民党総裁選に立候補した9人が14日、都内で日本記者クラブ主催の討論会に臨んだ。クラブの代表者から出馬表明会見で訴えた「早期の衆院解散」について突っ込まれた小泉進次郎環境相は“迷回答”を連発した。9人は討論会後、名古屋市で初の地方演説会に臨んだ。
 毎日新聞論説委員の佐藤千矢子氏が、派閥裏金事件で処分を受けた議員を選挙で公認するか3要件を判断材料とするとしていることに「早期解散と言っているが、3要件を満たしているか吟味する時間はあるのでしょうか」と問うと、小泉氏は「これは佐藤さんが早期に解散すべきではないとの立場からの質問ですか?」と逆質問。「予算委員会までやってから解散すべき」と指摘されたが、これを無視。自民党が描くスケジュール感では、解散から公示までわずか1週間しかないのに「解散されてから、公認するかしないか執行部が厳正に判断する」と述べた。
 総裁選後の臨時国会で指名された首相が、所信表明を行ってから受けて立つのが代表質問。これは複数の質問にまとめて答えるスタイルで準備にも余裕がある。通常、その後に待ち構えているのが予算委員会。一問一答形式の質疑で、野党の質問者が一つのテーマで繰り返し追及する“さら問い”が見せ場。論戦の弱さが指摘されている小泉氏には難所中の難所だ。
 読売新聞特別編集委員でベテラン政治記者橋本五郎氏が、衆院選での有権者の判断材料が乏しいことを懸念する立場から「予算委員会をやってから(解散を)するのか、いきなりするのか。意識的に触れないような感じがした」と攻めると、小泉氏は「27日に総裁選が終わって、その日に解散するかのような印象で言ってるかもしれませんが、それはできないんです。なぜなら、その後に首相指名を受けて…」と、反論にもなっていない反論を展開。橋本氏から「そんなこと分かってますよ」とムッとした声が上がり、失笑が起こっても気にすることなく「総理大臣になったら何をやりたいかお話ししている」と判断材料は総裁選で示しているとした。石破茂元幹事長は「国民の判断材料を提供するのは政府、与党の責任」とした上で「代表質問は一方通行でやりとりがない。本当にやりとりがあるのは予算委員会」とチクリと指摘した。
 “鬼門”の予算委員会を避けようとしているようにも見える小泉氏の姿勢。立憲民主党の代表選に立候補している野田佳彦元首相からも「論戦したくない人ほど早く解散する」と嫌味を言われている。選挙戦3日目にして早くも弱点が垣間見える展開。メッキがはがれれば、人気の急落は避けられない。