◆「党の処分、ひっくり返さない」
総裁選の立候補には党所属国会議員20人の推薦人が必要で、今回は計180人が名を連ねた。このうち政治資金収支報告書への不記載などがあった「裏金議員」の21人が、5候補の推薦人になった。
高市氏の推薦人で「裏金議員」に当たるのは、不記載額2954万円の三ツ林裕巳氏や、1564万円の杉田水脈氏など計13人。このうち6人は党役職停止や戒告の処分を受けている。高市氏は、新たな処分には否定的な考えを示すなど、裏金問題対応には慎重な姿勢だ。
◆「一票」を持つ議員の2割超
一方で、あえてゼロにした候補もいる。小林鷹之前経済安保担当相の推薦人に「裏金議員」はゼロだったが、12日の出陣式に参加した議員など、本紙が確認した限りで少なくとも計10人が小林氏の支持に回っている。その1人は「候補に迷惑を掛けてはいけないから」と、推薦人にならなかった理由を明かした。
派閥裏金事件を受けた党の調査によると、政治資金収支報告書への不記載などがあった議員らは、2022年までの5年間で安倍派と二階派所属の計85人。このうち辞職や党員資格停止処分中などの議員を除くと、今回の総裁選で投票権をもつ国会議員367人のうち、75人は裏金議員となる。(川田篤志)
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