《沈黙続ける折田楓社長》「朝、PR会社の方から直接連絡がありました」兵庫県HPから“同社記事が削除された理由”(2024年11月29日『NEWSポストセブン』)

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主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
 失職からの再選を果たした兵庫県知事・斎藤元彦氏(47)。斎藤知事のSNS戦略をめぐり、PR会社「merchu」の女性社長・折田楓氏(33)が騒動の渦中にいる。
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水着でバカンス中の折田氏(Instagramより)
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 そうしたなかで兵庫県のホームページに異変が……。「merchu」メンバーが紹介されていたはずの記事が、騒動後に消えてしまったのだ。
折田氏の発信について「虚偽」と指摘
 11月17日に投開票が行われた兵庫県知事選挙で、9月末に自動失職していた斎藤氏が再選。しかしその3日後、折田氏がメディアプラットフォーム・note内で〈広報全般を任せていただいていた〉とすると、これが公職選挙法違反(買収)にあたるのではないかと問題視される事態となった。
「斎藤氏サイドはこれまで、ポスター制作として『70万円ほど支払った』ことは認めた一方、折田氏が他に行っていたと主張したSNSアカウントの作成および運用、選挙カーからのライブ配信などは彼女個人の『ボランティア』だったという認識を示し、公職選挙法違反疑惑を否定。さらに『広報全般を任せたというのは事実ではない』と、折田氏の発信を“虚偽”だと指摘している。また折田氏サイドと『連絡が取れない』としてきました。
 かたや折田氏は、テレビ朝日の取材に『「答えるな」と言われている』と返して以降、コメントは出していません」(全国紙社会部記者)
 折田氏は「merchu」代表として、 2021年に兵庫県地方創生戦略委員、2022年に兵庫県eスポーツ検討会委員、2023年には兵庫県空飛ぶクルマ会議検討委員や西宮市産業振興審議会委員にも選ばれている。昨年は会社が兵庫県の「ひょうごe-県民アプリ」を委託されるなど、兵庫県と密に関わってきた。
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス、通称『慶應SFC』卒の折田氏は、外資系金融機関に就職した後、地元・兵庫県にUターンして起業している。兵庫県は近年、県外からのUターン移住や就職を歓迎する動きをとっており、2022年からは同県のホームページ上で『U・Iターンした5人』という特集記事を公開していました」
 同特集は2022年にvol.1~3、2023年にvol.4、そして今年はvol.5の記事が公開されていたのだが……。
「斎藤氏と折田氏をめぐる騒動発生後、トップページにあったはずのvol.5の記事が見当たらなくなったのです。このvol.5には、『merchu』に勤務するメンバーで、社名ロゴの入ったフォトプロップスを笑顔で掲げた写真も掲載されていました。
 兵庫県のトップページにこの『merchu』の企業名が掲載される状態になっていただけに、このタイミングでの記事削除はSNSを中心に物議を醸しました」(同前)
兵庫県が記事を削除した理由
 当該記事に登場していたのは渦中の折田氏ではなく、他の「merchu」メンバーだった。なぜこのタイミングで兵庫県は記事を非公開としたのか。10月28日、兵庫県広報広聴課に問い合わせたところ、担当者が次のように答えた。
──なぜ記事の取り下げが行われたのか。
「本日、PR会社さんから直接連絡があって、『記事を取り下げてほしい』との依頼を受けました。我々としてもこの件に関しては県民の方から多くの声をいただいており、SNS上でも様々な意見や推測が飛び交っている中で、総合的に判断して、本日記事を非公開とした、ということです。
 トップページに載せる記事は定期的に入れ替わっておりまして、ちょうど震災関連の記事をトップページに載せる時期でもありました。そういったタイミングでもあったので、今回のPR会社様からの連絡を受けて、トップページの変更と記事の非公開を行った、ということです」
──(斎藤知事はPR会社と「連絡が取れない」としていた。その上で)今朝PR会社から連絡があった?
「はい、今朝PR会社の人から直接連絡がありました」
 騒動以降“雲隠れ”とも報じられていた折田氏。会社を通じ、「merchu」メンバーを守ろうとしたのだろうか──。本人の口から真相を話される日は来るのか。