「危険が生じる可能性」理由に施設側からお断り 斎藤知事“肝入り”のイベント 知事の出席見送りへ(2024年9月2日『FNNプライムオンライン』)

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FNNプライムオンライン
兵庫県の斎藤知事をめぐる一連の騒動を受け、当初予定されていた特殊詐欺対策イベントへの出席が「危険が生じる可能性」を理由に見送られたことが分かった。
このイベントは知事の“肝入り事業”だった。
■「知事が出席することで混乱や危険が生じる可能性があるため」と施設利用断りの連絡があったという
斎藤知事の欠席が明らかになったのは、今月13日にイオンモール神戸南で開かれる予定の特殊詐欺対策キャンペーン。
兵庫県によると、特殊詐欺対策事業は、県が去年15億円もの補正予算を計上した斎藤知事の重要施策として注目されていて、イベントの計画当初から知事の出席が予定されていた。
しかし、兵庫県によると先月、イオンモール側から県の担当者に「施設の利用を断りたい」という連絡が入ったという。
理由について、イオンモール側は「一連の騒動によって知事が出席することで混乱や危険が生じる可能性があるため」としているということだ。
この要望を受け、県は知事の欠席を決めた。
■イベントは予定通り開催
イベントでは、ブースの出店や来場者への特殊詐欺防止の啓発などは、予定通り行われるということだ。
斎藤知事をめぐっては元幹部職員が告発したパワハラ疑惑などを、「嘘八百」「公務員失格」などと否定していたが、その後、一部で事実が含まれていたことが明らかとなっている。
疑惑の真偽を調べる百条委員会でも、パワハラについては一貫して否定していて、「県政を前に進めることが私の責任」と主張。
6日の証人尋問では、贈答品や公益通報に関する疑惑についても知事が答弁する予定だ。
関西テレビ 2024年9月2日)

「何が真実か調べてください」兵庫県自死職員は解任後に真相究明を嘆願していた…“悲痛な叫び”も斎藤元彦知事の側近は「指示に従って」《衝撃音声&メモ入手》(2024年9月2日『文春オンライン』)
 
 斎藤元彦・兵庫県知事(46)のパワハラやおねだり体質などの告発文書を作成したX氏が知事側近に突如役職の解任を言い渡され、告発内容の調査を直接求めていたことが「 週刊文春 」の取材で分かった。
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「なんでそれを知っとるんやって聞きよんやろが!」自殺した職員を詰問していた片山安孝副知事(64)
 斎藤知事の一連の問題は、兵庫県西播磨県民局長X氏が3月に知事のパワハラなど7項目を告発する文書を作成したことが端緒となっている。県はX氏を解任した後、懲戒処分とし、X氏は7月に自ら命を絶った。さらに別の職員も4月に自死していたことが判明するなど異常な状況となっている。
真相究明を求める“嘆願”に「指示に従って」
週刊文春」はこれまで 斎藤知事の側近が陰に陽に行ってきたX氏への個人攻撃 や 副知事(当時)による高圧的な取り調べ音声 、 県側が作成したX氏らへの取り調べ指示書の存在 を報じてきた。
 そして今回、「週刊文春」が入手したのが、3月27日に知事側近の片山安孝副知事(当時)と総務部長(当時。4月以降「若者・Z世代応援等調整担当理事」=8月1日付で降格)がX氏に西播磨県民局長の解任を言い渡す音声データとその様子が記されたメモだ。
 メモには突然の辞令に驚いた様子が記録され、音声データには「今日中に県民局を片付けて退出してくれ」という片山副知事からの命令の後に、翌日以降の勤務についての指示が録音されている。X氏は説明を受けた後、告発内容の真相究明を必死に訴えた。
守秘義務違反で問われるとすれば、あれの(内容)すべてについて何が真実で何が真実でないかというのは調べていただきたいなというふうに思います」
 片山氏の返答はこうだ。
「はい。分かった。じゃあ、今の指示の通りに従ってやってください。以上です」
 現在配信中の「 週刊文春電子版 」では、X氏が側近職員に訴えた内部告発への思いも録音された音声データを公開中。電子版オリジナルの記事ではメモの内容とともに、側近職員による「連絡禁止」の命令や知事の会見に対するX氏の抗議メッセージなどを詳しく報じている。
週刊文春」編集部/週刊文春 電子版オリジナル

兵庫知事への不信任案、公益通報巡る証言踏まえ「党として判断」維新の吉村共同代表(2024年9月2日『産経新聞』)
 
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記者団の取材に応じる日本維新の会の吉村洋文共同代表=2日、大阪市中央区
職員へのパワハラ疑惑などを文書で告発された兵庫県の斎藤元彦知事について、不信任決議案提出の是非を検討している日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は2日、兵庫県議会調査特別委員会(百条委員会)が6日に予定している斎藤氏への2回目の証人尋問の内容を注視したい意向を示した。
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兵庫県知事の進退に対する各党の姿勢
同日の尋問では、文書による告発を公益通報として扱わず、作成者の男性を懲戒処分にした当時の県の対応が問われる。吉村氏は2日、府庁で記者団の取材に応じ、維新として不信任決議案を提出するかどうかに関し「(斎藤氏が)公益通報についてどう発信するのかも踏まえて判断するべきだ」と語った。
斎藤氏は8月30日、百条委に証人として初めて出頭し、職員へのパワハラ疑惑を改めて否定した。
吉村氏は同日の尋問について「説明されていなかった事実が斎藤氏から一定は証言された」と感想を述べつつ、「思うところはある」と明確な評価には言及しなかった。
令和3年知事選で斎藤氏を推薦した維新は、藤田文武幹事長が8月31日、県議団幹部らと対応を協議。9月6日の百条委での斎藤氏の証言などを踏まえ、不信任案提出を含め判断することを決めた。藤田氏は協議終了後の報道陣の取材に、不信任案提出について「可能性はゼロではない」と述べていた。

「知事はもうなに言っても聞かへん…」前知事派の幹部は左遷…告発文に記された兵庫県・斎藤元彦知事の“前知事コンプレックス”「井戸さんの名前を出してはいけない」「進んでいた政策は次々と切る」(2024年9月2日『NEWSポストセブン』)
 
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斎藤知事。散髪後の自撮り(本人のInstagramより)
「知事はもう誰がなにを言っても聞かへん。自分が前面に出られるようなことだけは推し進めて、興味のないものは切り捨てる」──8月30日、兵庫県の「百条委員会」は斎藤元彦知事(46)への告発をめぐり、本人の証人尋問を行った。同委員会は、告発文書にあったパワハラ疑惑を裏付ける証言が得られたと明らかにし、職員へのアンケート調査をもとにした「中間報告」も公開していた。
 この告発文書にはパワハラをはじめ、7項目にわたって疑惑が記されているが、その中には「井戸敏三(前知事)嫌い」に関する内容も含まれているという。「百条委員会」が県職員に対して行ったアンケート調査にも、これに関連した回答が数多くみられる。
〈文書の内容中「知事は年功者が嫌い、井戸前知事が嫌い」については、多くの話を聞いている〉
〈応援した4人が、不可解な人事で昇任され、井戸前知事派の幹部が左遷されていることは、庁内でも有名〉
〈井戸嫌い、年長者嫌いは庁内でも非常に有名。外郭団体等の役員で井戸前知事が関わらないよう要請したと職員間で聞いている。 また、五百旗頭先生ではないが、金澤前副知事を応援していた〇〇を嫌っているというのを聞いている〉
〈理事長のことではないのですが、告発文ではそれに関連して「井戸嫌い」のことが書かれていました。(中略)具体的には、〇〇、〇〇、〇〇です。井戸知事への報復人事としか思えないような左向き人事が繰り返し行われています。新しい知事から距離を置いたポストに転勤させるのは、一定やむを得ないと思いますが、その次の人事も酷いことになっています〉
斎藤知事の“前知事コンプレックス”
 なぜ斎藤知事は前知事に対してコンプレックスを抱くのか。兵庫県庁のある関係者はこう明かした。
「なんの恨みがあってかわかりませんが、知事の井戸さん嫌いはすさまじく職員の間では名前を出すことさえもはばかられるようです。もともと、自分が前面に出られるようなことだけ推し進めて、興味のないものには見向きもしないタイプですが、特に前知事時代の政策に関してはバッサリと切り捨てまくっている 」
 実際に斎藤知事は2021年に、井戸前知事が進めていた県庁舎の整備事業の一時廃止や一部の海外事務所の廃止を発表。さらに肝入りだった大規模アリーナの建設計画も凍結するなど、知事に就任した当初から前知事時代の政策に手を入れていた。別の関係者は知事に関する一連の疑惑を嘆きながら、こう漏らした。
「とにかくもう、知事は誰がなにを言っても聞かへん。かつて知事を支援した人でさえ、陳情があるからといって連絡を取ろうとしても『要件はなんですか。LINEでお願いします』などとあしらわれる始末で、ほかにも多くの人が頭を抱えていると聞きます。とにかく周りの意見を聞こうという姿勢が見られない。
 比べたくはないですがその点、井戸前知事さんはよかった。彼はセンチュリーを公用車にしたことで財政問題を指摘されたことなどもあり、嫌いな人もいたとは思いますが物腰は柔らかく、よく話を聞くと評判でした。公務が終わると職員や記者を大勢連れて飲みに出かけ、『これどう思う』などと意見交換することもあれば、飲食店で出会った県民とも話をしつつ、メモを広げることなどもあった」
 8月30日の証人尋問では、報道陣に対して「自分の行為がハラスメントにあたるかどうかは、これから百条委員会や第三者機関で作業していく。改めて私の行為や言動を不快に思った職員には率直におわびし、県民にもおわびしたい」と謝罪し、「改めるべきところを受け止め、日々の仕事から変えていくことが大事で、県政を前に進めていきたい」と述べていた斎藤知事。
 周りの意見に耳を傾けていれば、このような事態は避けられたのかもしれない。斎藤知事は次回、9月6日に行われる同委員会の証人尋問にも出席予定だ──。