起訴状によりますと2016年、須藤早貴被告(当時19歳)は札幌市内の男性(当時61歳)から、海外留学の準備金名目などで、約3000万円をだまし取った罪に問われています。
争点は、詐欺罪を成立させるポイント=「欺いていたか」という点。これまでの裁判で、両者の主張は対立しています。
◆須藤被告「私が詐欺師なら、被害者は性犯罪者だ」
須藤被告は「これだけのお金を受け取ったのは事実で、嘘も反省しているんですけど、ベースは愛人。私が詐欺師なら、被害者は性犯罪者だと思っている」と話しました。さらに、男性がお金を払ったのは「全面的に私の話を信じていたわけではない」とし、体を触る対価や口止め料として払っていたと主張しました。
一方、検察側は「被告の発言で被害男性が錯誤に陥り、金を振り込んだ」と指摘しています。
被害男性も証人として出廷し、「(須藤被告と)誕生日が同じで運命を感じていた。美容師になりたい、という早貴の夢を応援していた。嘘だと知っていたらお金を支払わなかった」などと主張してきました。
◆法廷では、髪をかきあげて独特の”雰囲気”を醸し出し
これまでの裁判で、須藤被告は毎回同様の黒のワンピース姿。へそのあたりまで伸びた髪をおろした状態で、法廷に姿を現しました。
被告人質問では証言台に立ち、話す前に一呼吸置き、髪をかきあげて独特の”雰囲気”を醸し出し、男性との出会いから関係性まで、淡々と赤裸々に語っていました。
二人の関係は、はじめは、須藤被告が働いていたキャバクラで出会った「ホステスと客」。店を辞めた後は週1回ほど会って、定期的に月20万円もらうほか、会うたびに小遣い10万円などをもらう「愛人関係」だったと言います。
今年7月の裁判で、検察側は懲役4年6か月を求刑。きょう2日の裁判で、須藤被告に判決が言い渡される予定です。
いっぽう、事件発生から6年、野崎幸助さんに対する殺人などの罪に問われる裁判員裁判は、今月12日に初公判を迎えることが決まっています。
〈おことわり〉