川崎市バスで8月、身体障害のある男性(53)がスマートフォンの障害者手帳アプリの利用を断られ、乗車できなかったことが判明した。アプリは市が使用を認めているもので、男性は「不当に乗車を拒否された」と訴えている。市は男性に「運転手の認識不足だった」と謝罪。情報通信技術(ICT)活用が進む一方で、事業者側の理解が遅れている状況が浮かぶ。
男性は東京都あきる野市に住み、慢性腎不全で人工透析を受けている。外見からは分からない「内部障害」の状態で、身体障害者手帳(1級)を持っている。障害者割引などをスムーズに適用してもらうため、マイナンバーカードと連携することが可能で手帳の代わりとして認められているアプリ「ミライロID」をスマホに入れて外出している。
このアプリは民間企業が開発して2019年に提供が始まり、今では交通機関や娯楽施設、自治体の施設など官民の全国約4000事業者で利用できる。手帳を持ち歩く必要などがなく、登録する障害当事者は30万人を超える。川崎市バスでも21年7月から身体障害者のアプリ利用を認め、ホームページで周知している。
男性は8月26日午後、家庭教師の仕事へ向かうために川崎駅前から市バスに乗ろうとしたところ…
身体障害者手帳、療育手帳、障害者運賃割引証をお持ちのお客様には、特殊料金(通常の運賃は5割引、定期券は3割引)が適用されます。バスご乗車時、または定期券等購入時には手帳・割引証を提示してください。なお、身体障害者手帳・療育手帳の代わりとして、障害者手帳アプリ「ミライロID」もご利用いただけます。(マイナポータルとの連携が完了しているものに限る)