酒井氏は報道陣の取材に、「若手、女性議員の声は今の党に必要で、吉田さんは十分な働きをしてくれる人物だ」と期待。立候補に必要な国会議員20人の推薦人の確保については、「めどは立っていないが、動きを活発にしていきたい。先輩議員の力も借りながら頑張りたい」と述べた。
吉田氏は本紙の取材に「自らが立候補することで若手、女性の視点の議論を喚起したい。1期生でも代表選に手を挙げられることを示し、自由で闊達な多様性を体現する党であってほしい。物価高、年金不安で国民の生活は苦しくなっている。経済再建と手厚い社会保障で『人』から始まる日本再生を訴えたい」と話した。(佐藤裕介)
同時期にある自民党総裁選(9月12日告示、27日投開票)では、複数の中堅候補や女性候補が立候補する見通し。一方、立民代表選ではこれまでに出馬表明したり名前が取り沙汰されたりしているのは男性のベテラン議員ばかりで、「このままでは『人材不足』との印象が強まってしまう」(立民若手)との懸念が強まっている。
◆自民総裁選には女性や中堅も名乗り
自民党総裁選には、女性候補では高市早苗経済安全保障担当相(63)や上川陽子外相(71)が立候補に意欲を示している。中堅では、既に出馬表明した小林鷹之前経済安全保障相(49)のほか、小泉進次郎元環境相(43)らの名前も挙がっている。
◆「このままでは刷新感で自民に見劣り」
これに対し、立民代表選は既に名乗りを上げている枝野幸男前代表(60)=衆院10期=と、週内にも出馬表明を予定している野田佳彦元首相(67)=衆院9期=、再選出馬の意向を固めている泉健太代表(50)=衆院8期=を軸とした戦いになる見通し。このほか、馬淵澄夫元国土交通相(64)=衆院7期=や江田憲司元代表代行(68)=衆院7期=の名前も取り沙汰されているが、党内には「このままでは刷新感で自民に見劣りしてしまう」(中堅)との懸念も広がりつつある。
立民は党のホームページでも「政治にチャレンジする女性を応援」する理念を掲げている。野田氏を支える中堅議員は「女性の候補者も出てくれれば党にとっては素晴らしいことだ」と話す。
◆136人の党で推薦人20人はハードル高く
立候補の壁が高いのは、党所属国会議員20人の推薦人が必要とされていることに一因がある。自民党総裁選も同じ要件だが、自民の国会議員367人に対して、立民は136人に過ぎず、「多様な候補者を擁立するにはハードルが高すぎる」(立民若手)との声が上がる。
吉田晴美氏も26日、国会内で報道陣の取材に応じ、「20人というハードルがやっぱり高すぎると思う」と話した。
女性候補の擁立を巡っては、菅直人元首相が22日、自身が率いるグループ「国のかたち研究会」の会合で、2021年の前回選にも出馬した西村智奈美代表代行(57)=衆院6期=に出馬を要請したが、西村氏は明言を避けたという。
知名度の高い辻元清美参院議員(64)=衆院7期、参院1期=に期待する声も一部にある。だが、党内最大グループ「サンクチュアリ」関係者は「政権交代を目指す野党第一党の党首が参院議員というわけにはいかない」と指摘する。
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