優勝の京都国際、8割が日本国籍 男子9割野球部 韓国語能力試験必須 前身は京都朝鮮中(2024年8月23日『産経新聞』)

キャプチャ
優勝した京都国際ナイン=23日、甲子園球場
第106回全国高校野球選手権大会で優勝した京都国際は、京都市東山区にある共学の中高一貫教育の私立高校で、昭和22年に創立した京都朝鮮中が前身となっている。38年に高等部が開校され、平成15年に日本政府の認可を受けた。韓国からも正規学校として認可されており、卒業すると日本と韓国の両国の高校卒業資格を取得できるのが大きな特徴となっている。
日韓の高卒資格取得可
学科は普通科のみで、難関大学合格や海外留学を目指す進学コースと、幅広い進路先に対応した総合コースを選べる。教育課程は日本の学習指導要領に則っており、全ての授業で文部科学省が認定した検定済教科書を用いた日本語教育が行われている。
一方で、韓国系の国際学校として「豊かな国際性」を教育根本としており、修学旅行では韓国を訪れ、韓国語能力試験の受験を義務化するなど韓国文化の理解醸成に力を入れている。また、校歌は韓国語で歌われる。
小牧監督就任後に強化
生徒数は現在、中高合わせて計約160人(女子約90人)で、約8割が日本国籍。高校の生徒約140人(女子約70人)のうち、男子生徒の約9割に当たる61人が野球部に所属しているという〝超野球校〟だ。
野球部は11年創部で、硬式では外国人学校として初めて日本高校野球連盟に加盟した。強豪として知られる京都成章OBの小牧憲継監督が20年に就任して野球部の強化が急速に進み、27年には野球部用の雨天練習所が設置された。これまで甲子園で行われた大会では春に2回、夏に3回出場。阪神の中川勇斗捕手やDeNAの森下瑠大投手など複数のプロ野球選手を輩出している。
体育会の部活動では、硬式野球部のほか硬式テニス部やバスケット同好会がある。近年は世界的なK-POPの流行を受け、ダンス部の活動に力を入れている。