80代以上の人たちの預金や株式などの金融資産が高い水準にあることが、内閣府の分析で分かりました。60代前半との差が15%程度にとどまり、長寿に備えた節約志向の高まりが背景にあるとしています。
それによりますと、80代前半の金融資産の額は平均で1564万円、85歳以上は1550万円となっています。
世代別で金融資産が最も多いのは、退職金を受け取る人が多い60代前半で、平均で1838万円となっていますが、80代の世代との差は15%程度にとどまっています。
内閣府は、高齢者の間で長寿に備えて金融資産の取り崩しを控える動きや、将来への不安から子どもに財産を残したいという意向が背景にあると見ています。
そのうえで、高齢者の間で節約志向が強まれば、消費を下押しする可能性もあるとして、高齢化に対応した持続可能な年金制度の整備や、若年層への資金移転を促すための税制の充実などが求められると指摘しています。