反省の色なし
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デイリー新潮は8月2日に配信した「【疑惑の斎藤知事】最側近“4人組” 2人が離反、3人目もサボタージュ…『辞任は否定』も『阿部一二三に祝福コメント』で批判殺到」で、井ノ本総務部長が議会などのドタキャンを繰り返していることを報じた。ある県職員は言う。
「いくら体調不良が理由でも、人事課などを掌握する総務部のトップが議会に出席しないとなれば、仕事が回りません。さすがにこのままだとマズいと、知事が更迭を決めたようです」
もっとも、井ノ本総務部長の体調不良にも疑惑の声が上がっているという。
「8日、宮崎県で震度6弱の地震が起こり、南海トラフ地震臨時情報の呼びかけで職員たちがドタバタしていた際、総務部のグループメッセージに井ノ本総務部長が《お疲れさま》と書き込んだそうです。すぐに自分で削除しましたが、本当に体調不良なのか、仮病ではないのかと話題になっています。その後も井ノ本総務部長は、頻繁にグループメッセージにログインしているようですけど」
それにしても、7月31日に片山安孝副知事が辞職。8月1日付で小橋浩一理事が本人の希望により総務部付の部長級に降格。そして今度は、井ノ本総務部長の更迭である。いずれも“4人組”と言われた斎藤知事の側近である。もうひとり、原田剛治産業労働部長はどうしているのだろう。
4人組崩壊
「原田産業労働部長は元気に飲み歩いているそうですよ。亡くなられた元県民局長の告発文書にあった高級コーヒーメーカーをもらっていたのは、斎藤知事ではなく原田産業労働部長でした。それが発覚し、告発文書が“嘘八百”ではない証拠を出してしまったわけですから、知事の覚えもめでたくなくなっているでしょうね」
“4人組”崩壊である。
「ちなみに、井ノ本総務部長の後任は秘書広報室長になるようです」
知事の秘書事務を担当する秘書広報室長の後任は誰になるのだろう。
「後任は置かないようです。まあ、斎藤知事は今、予定がほとんどありませんから、後任がいなくてもやっていけるのでしょう。それに、小橋理事の後任が財務部長、財務部長の後任は財務次長になりましたが、財務次長の後任も置かれませんでした。いずれにせよ、付け焼き刃の人事ですよ」
付け焼き刃の人事で、斎藤知事がお題目のように掲げる“県政の立て直し”は可能なのだろうか。ある県会議員は言う。
片山副知事からは斎藤知事の議会とのコミュニケーション不足を指摘されたが、
「その対応でしょうね。控え室を訪れた斎藤知事は、『9月議会では物価高対策の補正予算を提出しますので、よろしくお願いします』と言ってきました」
9月以降もやる気満々だ。だが、ある会派の役員がクギを刺したという。
私は元気です!
役員:知事はご自身の正義に基づいた対応をされ「県政を前に進める」の一点張りですが、私に届いている県民の声は真逆です。完全に県政は停滞していますよ。
これに対し、斎藤知事は睨みつけるような形相でこう答えた。
斎藤知事:いや、職員が粛々と対応しているので心配しないでください。
そして、井ノ本総務部長が体調不良で欠勤していることを説明したという。役員が斎藤知事の体調について尋ねると、
斎藤知事:私はいたって元気です!
「これには、周りにいた他の県議も驚いたそうです。どんなに無神経なのかと……。斎藤知事の疑惑を告発した元県民局長と、告発文書に病気療養中とされた課長の2人が亡くなり、自身の側近である副知事、理事、総務部長も彼のもとを離れた。この期に及んでまだ知事を続けるつもりとは」
8月30日、斎藤知事は百条委員会に出頭する予定である。
デイリー新潮編集部