兵庫知事、側近次々と去り県政停滞 職員の関心は「いつ辞める?」(2024年8月2日『毎日新聞』)

斎藤元彦・兵庫県知事=神戸市灘区で2024年7月27日午後2時23分、大西岳彦撮影

斎藤元彦・兵庫県知事=神戸市灘区で2024年7月27日午後2時23分、大西岳彦撮影

 「もう限界。知事が辞めない限り、立て直しは無理なのでは」――。兵庫県の斎藤元彦知事がパワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発された問題に絡み、副知事ら県幹部が次々と不在となる事態に陥っている。施策の推進にも影響が出ており、現場からはため息が聞こえてくる。2日は、県議会の調査特別委員会(百条委)が知事や職員の証人尋問を決めたが、報道陣に知事はこの日も辞職を否定した。

 1日、知事の肝いり施策を審議するために開かれた県議会の特別委員会に担当幹部2人の姿はなかった。2人は本来、事業の進捗(しんちょく)を説明する立場だった。服部洋平副知事は「大変ご迷惑をお掛けする事態となっていることを深くおわびする」と冒頭に陳謝した。委員の質問に「勉強途上です」と答えに窮する場面もあった。

 欠席したのは「若者・Z世代」支援をとりまとめる理事だった小橋(こばし)浩一氏と、県庁舎建て替え事業を担当する総務部長の井ノ本知明氏。4月発令の人事で、小橋氏は副知事に次ぐ準特別職の理事に昇格。井ノ本氏は県政の中枢をあずかる幹部となった。

 その4カ月後の7月31日。県は小橋氏本人の希望を受けて部長職に降格させ、総務部付とする人事を発表。翌8月1日には井ノ本氏の休職を明らかにした。小橋氏は「現在の県政を取り巻く状況で職務遂行に当たるには心身ともに厳しい」と体調不良を理由に降格を伴う異動願を提出し、井ノ本氏も「体調不良で当面出勤は困難」と申し出ていた。

「泥船から一抜け」の副知事

 知事の最側近である副知事だった片山安孝氏も7月31日、県政混乱に伴う引責で辞職している…