岸田首相 自民総裁選に不出馬表明 各界・各地の受け止めは(2024年8月14日『NHKニュース』)

岸田総理大臣は記者会見で来月の自民党総裁選挙に立候補しない意向を表明しました。海外メディアも速報で伝えたほか、与野党などからさまざまな受け止めが広がっています。

与野党の反応》

石破元幹事長 自民総裁選 推薦人確保できれば立候補の意向 

自民党総裁選挙への対応について石破元幹事長は、訪問先の台湾で記者団に対し「立候補に必要な推薦人20人に推してもらえる状況が整えば責任を果たしたい」と述べ、推薦人を確保できれば立候補する意向を示しました。

自民 茂木幹事長「極めて残念 重く受け止めたい」

自民党の茂木幹事長はコメントを発表し「岸田政権はわが国が内外の困難な課題に直面する中、内政、外交両面で確かな実績を残してきた。政治資金や物価高の問題などで厳しい状況に置かれていたことは事実だが、岸田総理大臣が総裁選挙への不出馬を表明されたことは極めて残念だ。総理大臣を退任するという大変重い決断であり、重く受け止めたい」としています。

高市経済安保相「概算要求控える大事な時期 岸田首相支える」

前回・3年前の自民党総裁選挙に立候補した高市経済安全保障担当大臣は、NHKの取材に対し「突然のことで驚いたが、今は来年度・2025年度予算案の概算要求を控えるなど大事な時期だ。しっかり岸田総理大臣をお支えしたい」と述べました。

野田元総務会長「今なすべき『改革』進めていきたい」

前回・3年前の自民党総裁選挙に立候補した野田・元総務会長はコメントを発表し「まずは心からねぎらいの意を表する。総裁の継続を辞退したことは誰よりも重い責任を取ったということであり率直に評価したい。自民党は政治家として責任を取る潔さや国民政党としてのきょうじを取り戻さなければならず、今なすべき『改革』を国民とともに進めていきたい」としています。

自民 森山総務会長「続投がいいと思っていたので残念」

自民党の森山総務会長はNHKの取材に対し「今の世界情勢や経済状況を考えれば岸田総理大臣の続投がいいと思っていたので非常に残念だ。われわれ執行部の支え方も反省すべき面があった」と述べました。

そのうえで「新しい総裁には岸田総理大臣が進めた、世界を分断から協調へと変えていくための外交や、新しい資本主義の実現といった政策の継続性が大事だ。総裁選挙を通じて自民党の信頼を取り戻し、来たる総選挙で信を問うことが大事だ」と述べました。

自民 亀岡総裁特別補佐「少し決断が早かった」

自民党亀岡偉民・総裁特別補佐はNHKの取材に対し「少し決断が早かったのではないか。自民党の今後を考え、総裁として党全体を見渡した上で決断してもらいたかった。今の国内外の情勢は、政治がしっかりとリーダーシップを発揮しなければならない状況なので、総裁選挙では、そうした議論をきちんとしていかなければならない」と述べました。

自民 稲田幹事長代理「信頼回復の道は途上」

自民党の稲田幹事長代理はNHKの取材に対し「岸田総理大臣は国のトップとして内外のさまざまな状況を踏まえ判断したのだと思う。ただ自民党に対する批判はおさまっておらず、信頼回復の道は途上で、変わらなければ終わる。総裁選挙は党が古い体質から脱却して改革を進め、真摯(しんし)に将来世代のことを考える党に変わったと国民に実感してもらえるものにしなければならない」と述べました。

塩谷元文科相「3年前は期待寄せ支持したが今は複雑な思い」

自民党安倍派の座長を務め派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で処分を受けて離党した塩谷・元文部科学大臣NHKの取材に対し「このタイミングでの不出馬は唐突で、責任を取ることが理由であれば遅きに失した感は否めない。3年前の総裁選挙では期待を寄せて支持したが今は複雑な思いがある」と述べました。

岸田派幹部 根本元厚労相「党を思う岸田総理の覚悟の決断」

自民党岸田派の幹部を務める根本元厚生労働大臣は、NHKの取材に対し「党を思う岸田総理大臣の覚悟の決断だと感じた。岸田総理大臣は外交政策や経済政策、少子化対策など大きな成果を上げていて、後世の歴史家は実績を必ず評価するだろう」と述べました。

小野寺元防衛相「政治改革でけじめつける判断」

岸田派の幹部、小野寺・元防衛大臣は、NHKの取材に対し「総理大臣としていろいろな状況を踏まえ、進退について考えたのだろう。公務優先であたってきた結果、このタイミングでの判断となったのだと思う。一連の問題を受けた政治改革で一定のけじめをつけるという判断なのではないか」と述べました。

岸田派の幹部を務める林官房長官と小野寺元防衛大臣が都内で会談しました。

そして、派閥は解散を決めているものの、引き続き岸田総理大臣を支えてきたメンバーで情報交換をしながら対応していくことを確認しました。

このあと小野寺氏は記者団に対し「岸田総理大臣に再選してほしいという思いが強かったが、自民党が変わる第一歩のために身を引くということなので重く受け止める」と述べました。

自民 関口参院会長「率直に驚いた」

自民党の関口参議院議員会長はNHKの取材に対し「率直に驚いた。一連の政治資金問題など大変な状況の中で、3年間、国民のために一生懸命、頑張ってもらった」と述べました。

自民幹部「『政治とカネ』の問題にけじめつけるため仕方ない」

自民党幹部はNHKの取材に対し「岸田総理大臣は重い決断をした。『政治とカネ』の問題にけじめをつけるためには仕方がない。現職の総理大臣が不出馬ということで、総裁選挙に向けて今後、党内は混とんとしていくだろう」と述べました。

岸田派幹部「不出馬に追い込まれた形 残念で気の毒」

自民党岸田派の幹部はNHKの取材に対し「外交政策や防衛政策、それに内政でも実績を残してきたが政治とカネの問題で不出馬に追い込まれた形となった。非常に残念で気の毒に思う」と述べました。

自民幹部「さまざな事情を考慮した上での決断」

自民党幹部の1人はNHKの取材に対し「さまざな事情を考慮した上での岸田総理の決断だろう。受け止めたい」と述べました。

自民幹部「『立候補してほしい』との説得ダメだった」

自民党幹部はNHKの取材に対し「何度も『立候補してほしい』と説得したがダメだった。やりかけのこともたくさんあり、無責任なことだとも思う」と述べました。

自民 閣僚経験者「自民党への逆風収まらない」

自民党の閣僚経験者の1人はNHKの取材に対し「国民からも国会議員からも『岸田総理大臣は嫌だ』という声が多かったのでその声はいったん落ち着くものの、自民党への逆風は収まらないだろう。総裁選挙でかったつな議論を行いたい」と述べました。

自民 閣僚経験者「勝てる見込みないと考えたのだろう」

自民党の閣僚経験者はNHKの取材に対し「岸田総理大臣は総裁選挙に立候補しても勝てる見込みがないと考えたのだろう。新しい総裁は、当然、衆議院解散・総選挙を意識して選出することになる」と述べました。

公明 山口代表 衆院解散「いつあってもおかしくない」 

公明党の山口代表は記者団に対し「電話で連絡を受けて正直、驚いたが、岸田総理大臣の強い意思と重い決断を受け止めることにした」と述べました。

そのうえで、自民党の総裁選挙について「一致団結して自民党が変わることを示していくという岸田総理大臣の思いを生かすリーダー選びを期待したい」と述べました。

また、衆議院の解散・総選挙について「新しい総理大臣のもとで判断されるが『いつあってもおかしくない』という心構えで党としても準備を進めていきたい」と述べました。

公明幹部「続投するのではないかと思っていた」

公明党幹部はNHKの取材に対し「続投するのではないかと思っていたので、突然のことに驚いた。いろんな判断があると思うので受け止めたい」と述べました。

立民 泉代表「党が危機になると総理・総裁を変える手法」 

立憲民主党の泉代表は記者会見で「驚いたが、岸田総理大臣自身がずっと考えていたことではないか。旧統一教会の問題は決着がついておらず、政治改革も事実上、ほとんど改革には至っておらず、これ以上自分の力では改革が進められないという思いがあったのではないか」と述べました。

そのうえで「自民党は生命維持のため、党が危機になると総理・総裁を変えて心機一転、過去を忘れてもらうという手法を繰り返してきた。そういう手法にいつまでも国民がひっかかってはいけない。今もなお『裏金議員』が大量に党内に存在し、資金を返還したり、納税したりする訳でもなく、放置しようとしている議員が大量にいる。岸田総理大臣は『ドリームチーム』と言っていたが、かなりその部分で国民とずれているのではないか」と述べました。

一方、来月行われる立憲民主党の代表選挙への影響について「自民党の総裁選挙とは分けて考えられるべきで、立憲民主党として、誰が総理大臣であっても自民党の体質がまったく変わっていないことと、われわれに政権担当能力が十分にあると示していく戦いになる。私自身の対応については、党内で意見交換しており、自民党に代わる政権をつくるという強い志が見えてくる代表選挙にしなければならない」と述べました。

立民 安住国対委員長「今後は政局全体が流動的になる」

立憲民主党の安住国会対策委員長NHKの取材に対し「総裁選挙に出ると思っていたので突然の意向表明に驚いている。政治とカネの問題で国民に理解されないと、ようやく判断したということなのだろう。今後は政局全体が流動的になる」と述べました。

立民 逢坂代表代行「政策成し遂げるより自民党政権の延命決断」

立憲民主党の逢坂代表代行はNHKの取材に対し「先の国会では、政治資金規正法の議論で国民の信頼を得るような改革をしなかった。政治改革をはじめ、何かを成し遂げたいという政策があれば、このタイミングで総裁選挙に立候補しないという決断はしなかったはずだ。政策などを成し遂げるよりも自民党政権の延命を決断したと見られてもしかたがない」と述べました。

維新 藤田幹事長「党内まとめきる力なかったこと残念」

日本維新の会の藤田幹事長は、NHKの取材に対し「突然のことに驚いている。政治改革では公党間の約束を果たせず、岸田総理大臣に党内をまとめきる力がなかったことは残念だ。次期自民党総裁には、国会議員に毎月支給される旧『文書通信交通滞在費』、今の『調査研究広報滞在費』の改革をはじめ、有言実行で改革を実現することを強く求める。総裁選挙では、憲法改正社会保障改革などの議論が進むかどうか注視する」と述べました。

維新 音喜多政調会長「看板だけ変えても自民党変わることない」 

日本維新の会の音喜多政務調査会長は、NHKの取材に対し「いささかびっくりした。政治とカネの問題のけじめをつけるという考え方には一定の理解をするが、遅きに失した面もある。憲法改正も任期内にやるという自身の公約も投げ出したような形で残念だ」と述べました。

そのうえで「看板だけ変えても自民党が変わることはない。あれだけの『裏金問題』を起こしておきながら、自浄作用がなかったので、新しい総理・総裁のもとでたちまち変わることは想像しづらい。政治とカネの改革や社会保障制度改革、成長戦略に正面から向き合ってくれる方は誰なのかしっかり注視したい。われわれは是々非々の姿勢で臨んでいく」と述べました。

共産 小池書記局長「国民の怒りに追い詰められた結果」 

共産党の小池書記局長は記者会見で「国民の怒りに追い詰められた結果だ。岸田総理大臣は数々の成果をあげてきたと言っているが、『裏金問題』の対応や経済の無策、外交不在の大軍拡、そして改憲と、やってきたことはどれもこれも最悪のものばかりだった。自民党政権をいかに延命させるかしか考えていないのではないか。自民党内の政権のたらい回しでは何も変わらず、自民党政治そのものを終わらせなければならない」と述べました。

国民 玉木代表「新しい総裁が選ばれれば衆院選早まる」

国民民主党の玉木代表は、NHKの取材に対し「政治とカネの問題に組織の長としてけじめをつけたことは評価したい。また『賃上げ対策』に積極的に取り組み、一定の成果を出したことも率直に評価できる。しかし、成立した改正政治資金規正法は『ザル法』のままで、新しい総裁には第三者機関の設置など検討項目を速やかに具体化する責任がある」と述べました。

そのうえで「自民党の『裏金問題』で政治に対する信頼が著しく失われ、自民党の危機ではなく日本の危機と言っても過言ではない。日本再生のために政治の刷新が必要であり、同時に野党も変わらなければならない」と述べました。

一方、次の衆議院選挙の時期について「新しい総裁が選ばれれば早まるだろう」と述べました。

れいわ 多ケ谷国対委員長「対策がさらに遅れないか懸念」

れいわ新選組の多ケ谷・国会対策委員長は、NHKの取材に対し「内外の問題が山積する中、このタイミングで、立候補しないと表明することがいいことなのか。単なる自民党内の権力の綱引きだと国民に思われたら、さらなる政治不信を招く。総理大臣が変わることで、賃金上昇に追いつかない物価高やエネルギー価格の高騰などへの対策がさらに遅れないか懸念される」と述べました。

社民 福島党首「自民党が看板すげ替え衆院選

社民党の福島党首は、記者会見で「正直ちょっと驚いた。『裏金問題』で責任を取るのであれば、とっくの昔に責任を取るべきだったのではないか。今になって責任を取ると言われても納得いかない。結局、自民党が看板をすげ替えて、目先を変えて衆議院選挙をやるということでしかない」と述べました。

《海外の反応》

海外メディアも速報で伝える

岸田総理大臣が来月の自民党総裁選挙に立候補しない意向を固めたことについて、韓国の連合ニュースやロイター通信なども日本メディアの報道を引用して速報で伝えています。

このうち、韓国の連合ニュースは自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて、内閣支持率が低迷していることに触れ「『退陣危機』のレベルである10%から20%台にとどまり党内外から退陣の圧力を受けてきた」と報じています。

また、ロイター通信は「支持率が低迷する中での退陣決定は世界4位の経済大国の首相の後継争いの引き金となるだろう」と報じています。

このほか、AP通信や中国の国営・中国中央テレビ、それに、フランスのAFP通信も速報で伝えています。

中国メディアも日本のメディアを引用する形で相次いで速報で伝えました。

このうち、国営の中国中央テレビは東京に駐在する記者が「日本の有権者が政治資金の問題と最近のインフレや円安の進行に不満を募らせていることが岸田政権の支持率の低下につながり、立候補しない理由の1つになったとみられる」などと伝えました。

米 エマニュエル駐日大使「同盟関係の新時代を切り開いた」

アメリカのエマニュエル駐日大使は英語と日本語でSNSに投稿し「岸田首相の揺るぎないリーダーシップの下、日米両国は同盟関係の新時代を切り開いた。日米同盟は現在、64年の歴史の中で最も強く、確かな同盟となっている。岸田首相はバイデン大統領と協力し、インド太平洋全域に時の試練に耐えうる格子状の安全保障同盟とパートナーシップを構築する取り組みを支援してくれた」として岸田総理大臣に謝意を示しました。

拉致被害者の家族会など団体は》

拉致被害者の家族会代表「水面下の交渉リセット 残念]

北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの弟で拉致被害者の家族会代表の横田拓也さんは「深刻な人権問題解決のための水面下の交渉がリセットとなることは、残された拉致被害者がさらにつらい時間を過ごしていくことになり残念です。拉致問題は国内外、与野党関係なく、人として許される問題ではありません。次にどなたが総裁になっても、強い気持ちで、必ず解決してもらいたい。安易に譲歩したり、私たちが望んでいない合意がなされたりしないよう、全拉致被害者の即時一括帰国を求めます」とコメントしました。

日本被団協 事務局長「途中で放り出しているようで無責任」

日本被団協日本原水爆被害者団体協議会の木戸季市事務局長はNHKの取材に対し、「途中で放り出しているようで無責任に感じる。岸田総理は『核兵器のない世界の実現』を訴えてきたが、核兵器廃絶に向けた具体的な取り組みがみられなかった。来年は被爆80年となる中で、もっと国民に向き合ってくれる政治家に総理大臣を務めてほしい」と述べました。

広島県被団協 理事長「世界のリーダーであってほしかった」

広島県被団協の箕牧智之理事長は、「広島選出の総理大臣として、核廃絶を願う私たち被爆者に朗報をもたらしてくれることを期待していたが、核兵器禁止条約の署名・批准を実現しなかったほか、G7広島サミットの際に核抑止論を中心に進めたことが非常に残念だった。政治家として難しい判断もあったと思うが、核兵器や平和の問題では世界のリーダーであってほしかった」と話していました。

広島県被団協 理事長「もっとやってほしいとは思えなかった」

もう1つの広島県被団協の佐久間邦彦理事長は「そう長くは続けないだろうとは思っていたが、突然で驚いた。広島選出の総理大臣として核兵器廃絶に向けて何かしてくれるのではないかと期待していたが、G7広島サミット後の国際情勢を見ても一歩も進歩がなく、もっと総理大臣をやってほしいとは思えなかった」と話していました。

《各地の受け止めは》

岸田首相の地元 広島市では

岸田総理大臣が来月の自民党総裁選挙に立候補しない意向を表明したことについて、地元の広島市では、驚きの声などが聞かれました。

50代の女性は「もう一度やると思っていたのでびっくりした。去年のG7広島サミットでは広島のためにも頑張っていたが、それ以降は頑張りが足りなかった感じがする」と話していました。

3歳の子どもを連れた30代の母親は「率直な意見でいうと続けてもいいと思っていた。次が誰になるのかに関心がある」と話していました。

80代の男性は「みんなの人気がそれほどでもない感じだから、今の状態だったらしかたがないのかもしれない」と話していました。

20代の大学生の男性は「続けてほしいが、自分が辞めたいというのなら選択を尊重してあげるべきだと思う」と話していました。

東京 銀座では午後0時ごろから新聞の号外

東京・銀座では午後0時ごろから新聞の号外が配られました。

都内の20代の男性は「このタイミングで辞めるのかと思い、びっくりしましたが、これまで頑張っていたので今後はゆっくりしてもらいたいです。新しい人には子育てしやすく暮らしやすい政策を期待したいです」と話していました。

静岡県から旅行で訪れた40代の男性は「裏金問題が話題になった時点で辞めてもいいと感じていたので、いまのタイミングは遅いのかなと思います。昨今は株価が乱高下しているので、新しい人にはそうした対策を期待したいです」と話していました。

都内の高校1年生の男子生徒は「やめるのは当然かなと思いますが、次の総理大臣が誰になるのか気になります。経済や外交問題などでリーダーシップをとれる人に次の総理大臣になってもらいたいです」と話していました。

JR新橋駅前では

愛知県から旅行で訪れた30代の男性は「今後も続けると思っていたので驚きました。これまで税金関連の政策などを積極的にやっていたと思いますが、不出馬になることで政策の一貫性がどうなるのか気になります」と話していました。

都内の60代の女性は「支持率も下がり党内からも退陣論が出ていたので賢明な判断だと思います。個人消費が上がっていないので新しい人には生活しやすい環境を作ってもらいたいです」と話していました。

岡山県から旅行で訪れた30代の男性は「正直誰がやっても変わらない気もしますが、裏金の問題などもあるのでクリーンな政治を期待したいです」と話していました。

大阪 梅田では

大阪・交野市に住む60代の男性は「『裏金問題』などがあったので賢明な判断だと思います。当初は期待していましたが、岸田カラーをうまく打ち出せなかった印象です。新しい総裁には円安や物価高などさまざまな課題に取り組むことを期待したいです」と話していました。

大阪市に住む70代の女性は「岸田総理の発言は国民のことをよくわかっているなと思っていたので、応援していました。立候補しないと聞いて残念です」と話していました。

神戸市に住む60代の男性は「内閣支持率も下がっていて、不祥事もあったので、立候補しないことはしかたがないと思います。判断が後手後手でリーダーシップを発揮できなかったのかなと思います」と話していました。

能登半島地震の被災地では

能登半島地震の被災者からは「もっと被災地に来て住民の声を聞いてほしかった」といった声が聞かれました。

石川県輪島市の中心部にある仮設住宅に住む60代の男性は「岸田総理は頑張っていたのではないでしょうか。街の景色はまだ発災当時から変わらないので、次の総理にも頑張って対応してもらいたい」と話していました。

また、自宅が全壊したという80代の女性は「もっと被災地に来て被害状況を確認したり住民の声を聞いたりしてほしかったです。次の総理にはまずは道路の復旧を早く進めてもらいたいです」と話していました。

両親が仮設住宅に住んでいる輪島市出身の40代の男性は「もう少し災害対応を急いでほしかったです。次の総理には地域の少子化が進むなかで輪島の朝市など観光支援の取り組みも進めてもらいたいです」と話していました。

専門家「政治とカネの問題 まだ決着つかず」 

政治資金の問題に詳しい日本大学の岩井奉信名誉教授は「自民党にとって政治資金パーティーをめぐる裏金問題が最大の課題だったが、岸田総理大臣は、派閥解体を打ち出したものの、議員や秘書らが相次いで立件される中で党のトップとして責任をとっていないと、厳しく批判されていた。政治資金規正法の改正についても、パーティー券購入者の公開基準引き下げ以外は必ずしも具体的でなく、抜け穴どころか、事実上何もやっていないに等しいと、世間の評価は非常に厳しい。しかも、党内の根回しや調整をしないままみずからが決断したという名目で物事を進めたため、孤立してしまった」と指摘しました。

そのうえで「政治とカネの問題は、まだ決着が着いていない。次の総選挙では、政治とカネの問題をどう正していくかがいやおうなしに争点となる。新しく選ばれる総裁には、もう一度きちんと見直してもっと明確な形で改革を進めていくことが求められる」と話していました。

あわせて読みたい