アメリカ7月雇用統計 就業者数11万4000人増も市場予想を下回る(2024年8月2日『NHKニュース』)

アメリカの7月の雇用統計が発表され、失業率は4.3%で、4か月連続での上昇となりました。農業分野以外の就業者の伸びも市場予想を大きく下回り、市場ではアメリカの景気減速への警戒感が高まっています。

アメリ労働省が2日発表した先月の雇用統計によりますと、農業分野以外の就業者の伸びは前の月と比べて11万4000人で、市場予想の17万5000人程度を大きく下回りました。

また、失業率は前の月から0.2ポイント上昇して4.3%でした。失業率の上昇は4か月連続です。

インフレに結びつくデータとして注目される労働者の平均時給は▽前の年の同じ月と比べて3.6%上昇し、▽前の月と比べると0.2%上昇しましたが、いずれも市場予想を下回り賃金上昇の鈍化傾向が示されました。

FRB連邦準備制度理事会のパウエル議長は、31日にインフレの要因となってきた人手不足など労働市場のひっ迫は緩んできているという認識を示す一方で「労働市場がこれ以上、冷え込むことは望んでいない」とも述べ、失業率の上昇など雇用の冷え込みは望まないとの認識を示しました。

FRBはインフレを抑え込むために2年余りにわたって金融引き締めを続けてきましたが、市場では雇用情勢の悪化など景気減速への警戒感が高まっています。

一時1ドル=147円台前半まで値上がり

2日のニューヨーク外国為替市場では、さきほど発表されたアメリカの先月の雇用統計で農業分野以外の就業者の伸びが市場の予想を大幅に下回ったことで円高が加速し、円相場は一時、1ドル=147円台前半まで値上がりしました。

1ドル=147円台をつけるのはことし3月中旬以来、およそ4か月半ぶりです。アメリカの景気が減速して利下げが行われるとの見方が強まり、日米の金利差の縮小が意識されてドルを売って円を買う動きが加速しました。