「中電病」にJR東日本が対策を始める 運転士詰め所の空気を調査、老朽化備品を交換…「安全祈願」も(2024年7月26日『東京新聞』)

 
 JR中央・総武線各駅停車(三鷹-千葉間)の運行を担当する「中野電車区」の運転士が体調不良でオーバーランを起こすなどし、乗務を中断するケースが相次いでいる事態を受け、JR東日本は同電車区施設の空気調査をはじめ、職場環境の改善対策に乗り出した。

◆「さまざまな観点から原因究明を進める」

JR中央・総武線各駅停車の車両

JR中央・総武線各駅停車の車両

 空気調査は、同電車区の詰め所や職員用寝室・更衣室で実施。今後は老朽化したロッカーやベッドなどの設備を交換するほか、熱中症防止のための対策を進める。また乗務員の体調不良や人身事故などで輸送障害が多発していることから、お盆を前に同電車区内で安全輸送の祈願も行う。
 関係者によると、運転士の体調不良トラブルは、同電車区で過去3年間に約40件発生。現場の運転士の間では「中電病(なかでんびょう)」と呼ばれているという。25日にも同路線の千葉県内の2駅で運転士がオーバーランを起こし、乗務を中断した。
 JR東日本の担当者は「産業医のアドバイスももらい、さまざまな観点から原因究明を進めていく。より働きやすい職場をつくりたい」としている。(小倉貞俊)