岸田おろし発言続々!自民党総裁の座を巡り裏で何が?(2024年7月25日『選挙ドットコム』)

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岸田おろし発言続々!自民党総裁の座を巡り裏で何が?
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2024年6月27日に公開された動画でのテーマは「岸田おろし発言続々!自民党総裁の座を巡り裏で何が?」です。
ゲストに朝日新聞政治部記者の今野忍氏と産経新聞デジタル報道部政治担当デスクの水内茂幸氏をお招きし、現場を取材するお2人に自民党内の裏側まで語っていただきました。
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菅前総理は代弁者?!退陣要求の裏には若手・中堅の不満が爆発?!
【このトピックのポイント】
・総理になってから一度も会食の機会がない?!岸田氏と菅氏の本当の仲とは?!
・ラストチャンスに賭ける茂木氏の狙いとは?!
・ここまで言われても岸田総理は再選にやる気満々?!
前首相からの事実上の退陣要求?!
通常国会が閉幕し、自民党総裁の座を巡る動きも活発になっています。
MC伊藤由佳莉「まず注目したいのは、菅義偉前首相の発言です。公然と岸田総理に事実上の退陣要求をしたようにも見えますが……。この裏でどういうことがあったのでしょうか?」
水内茂幸氏が、自民党のいろんな人に聞いた印象だと、今回菅さんは、相当考えて話したような感じがあるとコメントしました。
今野忍氏は、発言したその日に菅氏本人に取材。
菅氏がハッキリと「ここで言っとかないと党内が収まらない」と語り、若手や中堅の意見を「自分は代弁したんだ」と言っていたと語っていました。
政治資金規正法の改正法案が通るまでは黙っていた菅氏ですが「その間もずっと煮えたぎるものはあった」と今野氏は推察します。
今国会は、自民党の裏金問題の一色なので、自民党が率先して自民案を出してやるべきだったのに、後手後手に回っていました。
「岸田総理自身のリーダーシップ不足」と「岸田総理自身は、今回の裏金問題で何も処分がなかった」ことの2点に対して、「菅さんなりに『ケジメをつけろよ!コラ!』ということですよね」と今野氏は述べていました。
水内氏も「確かに、総理が何もしなかったとは、いろんな人が言う」と、同意しました。
MC伊藤「そもそも、菅さんと岸田さんの距離感は……?」
水内氏「全然、距離感は遠いと思いますよ」
今野氏「距離感が遠いって言うのは、政治記者同士の会話でしょ(笑)。要は、めちゃくちゃ仲悪い!」
岸田氏が総理になってから、晩御飯を一度も一緒に食べたことがない状態。
水内氏「3年経って、1度も飯食ったことないっていうのは、永田町である意味、異様ですよね。逆にその2人の関係がよくわかる……」
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若手からも続々と退陣要求!党内で何が起きているのか?!
自民党の若手議員から退陣要求と受け取れる発言が出ていて、自民党幹事長の茂木敏充氏は「夏の間に色々考えたい」と発言。
本来であれば、政権を支える立場の幹事長のこの発言を聞いて今野氏は、自民党の歴史上であまりなかった異常な状態だと語りました。
岸田総理と茂木氏は同年代です。今回がラストチャンスでもあり、もっと若い世代が出てきて世代交代する前に「出たい」となっているのではないか?と今野氏は予想しました。
一方で、岸田総理と麻生太郎氏との距離感も気になります。
政治資金規正法の改正案でパーティー券の購入者の公開基準額を、自民党内で「10万円超」と決定したものを、岸田総理は「5万円超」に方針を変更しました。
総理独断の方針転換について、麻生氏は怒っていたと伝わってきています。
今野氏は岸田総理を取材した際に「麻生さんに、わかってもらうしかない」と話していたそうです。岸田総理は、麻生氏を何度か食事に誘って「関係修復中」だと言います。
MC伊藤「1カ月前にもこのテーマでお話を伺いましたが、その時よりもさらに逆風が吹いている気が……」
水内氏「その時よりもかなり強いと思います」
岸田総理は、政治資金規正法の改正を、反対がありながらも前に進まなきゃいけないという思いだったはずですが、党内では、色々なところから不満が続出。
水内氏「1カ月前が風速10mだったら、今は40mぐらいかな」
MC伊藤「吹き飛ばされそう……」
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それでも岸田氏は出馬する?!ポスト岸田の有力候補は?!
MC伊藤「岸田さんは、次の総裁選に出るのでしょうか」
ゲスト両氏は「本人はやる気満々!」と即答しました。
今野氏は「たぶん岸田さんの性格で言って、そんなに簡単に諦めないですね。ギリギリまで色々考える。だから、今回、いきなり電気代ガス代の補助が出た」とコメント。
5月で終了した電気代ガス代の補助金を「酷暑対策」と銘打って8月、9月、10月の補助を復活しました。
酷暑対策なのに、なぜ7月からスタートしないのでしょうか?
今野氏が官邸の偉い人に聞いたところ、「(7月は)間に合わなかった」と、言っていたそうです。
今野氏は「とにかく打てる手を打って、自分の総裁選の再選に、もう1回挑戦を岸田さんはするだろう」と語っていました。
 
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記者が見る、ポスト岸田と目される方々の動向や評価は?
続いて、ゲストの両氏は、ポスト岸田を野球に例えて談義を続けます。
今野氏「ポスト岸田は、もう肩温まって、ブルペン入っている人はいっぱいいる」
水内氏「そうですね(笑)」
今野氏「誰もまだピッチャー交代を告げてないのにね(笑)」
今野氏「石破さんは、だいぶ前からブルペンに入ってるでしょ」
水内氏「登板するから、オープンカー呼べって感じ」
今野氏「茂木さんも、最近ブルペンに入ったでしょ」
水内氏「そうですよね」
今野氏「高市氏も最初からブルペンにいるような人」
水内氏「高市さんは、8月までびっしり、全国講演の予定が入ってますよ」
今野氏「7月7日の安倍さんの命日に本を出す。私が安倍さんの後継者よっていうメッセージだね」
MC伊藤「若手の方はどうでしょうか」
水内氏は「小林鷹之さん!最近、俄然推したいと言う人が増えている印象」と語ります。
小林氏は旧二階派の所属ですが、安倍派の人も推しているそうです。開成、東大、財務省、ハーバードという「ピッカピカの経歴」です。
水内氏は「嫌味な感じがなく、女性ファンがすごく多い」と小林氏の印象を話していました。
今野氏は、自民党政党支持率が下がっているので「石破さんのような反主流派」や「コバホーク(小林氏の愛称)さんのような新しい世代」を中心にして「自民党が生まれ変わったかをどれだけ出せるかを争う総裁選になりつつあるんじゃないか」と語っていました。