告発文書言及の職員、4月に死亡 兵庫県3カ月公表せず、自殺か(2024年7月24日)

共同通信

 斎藤元彦兵庫県知事の疑惑告発文書の中で、業務を理由に療養中だと言及されていた職員の男性が4月に死亡していたことが24日、関係者への取材で分かった。自殺とみられる。県は個人情報保護を理由に3カ月にわたり公表していなかった。すでに文書を作成した元幹部の死亡が判明しており、3月末に文書問題が浮上して以降、2人の職員の死亡が明らかになった。

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 関係者によると、男性は4月20日に死亡。男性の子どものために職場の有志で「遺児育英資金」を集めようとする動きを県幹部が止めていたという。7月23日に県職員向けのサイトに訃報が掲載され、今後、遺児育英資金の手続きも進められる。

 斎藤氏は24日の記者会見で「遺族の意向で公表していなかった」と述べた。

 元西播磨県民局長の男性が3月中旬に作成した斎藤氏のパワハラ疑惑などを告発する文書には、昨年11月のプロ野球阪神オリックスの優勝パレードに関わる経費を巡る不正疑惑が挙げられ、担当課長だった男性が業務により疲弊し、療養中だという趣旨の記載があった。

 

優勝パレード担当の兵庫県職員死亡 告発文で「疲弊し療養中」指摘(2024年7月24日『毎日新聞』)

 

定例記者会見で質問に答える兵庫県の斎藤元彦知事=神戸市中央区の県庁で2024年7月24日午後4時49分、山本康介撮影

定例記者会見で質問に答える兵庫県の斎藤元彦知事=神戸市中央区の県庁で2024年7月24日午後4時49分、山本康介撮影

 兵庫県の斎藤元彦知事は24日、プロ野球阪神オリックスのリーグ優勝記念パレードを担当していた元県民生活部総務課長の男性(53)が4月に死亡していたと明らかにした。3月に表面化した知事のパワハラなどの疑惑についての告発文は、元課長が業務に関連して疲弊し、療養中だと指摘していた。

 関係者によると、県や大阪府などでつくる実行委員会が主催し2023年11月に開いたパレードの費用について、元課長は企業からの寄付金集めなどを担当。療養中の4月20日に急死したが、職員向けに訃報が通知されたのは7月23日だった。県は3カ月間、個人情報保護を理由に公表していなかった。

 24日の定例記者会見で斎藤知事は、通知が7月になったのは「家族の意向」とし、「パレードにご尽力いただき、お亡くなりになったことへのお悔やみを申し上げたい」と述べた。

 告発文を作成した元県西播磨県民局長の男性(60)も7月、県議会の調査特別委員会(百条委)への出席を前に県内の親族宅で死亡しているのが見つかった。

 告発文は、パレードの必要経費について「(県内の)信用金庫への県補助金を増額し、それを募金としてキックバックさせることで補った」と指摘。知事側は、この疑惑を否定している。【山本康介、山田麻未】

 

知事告発文書で言及の兵庫県職員死亡 「精神持たず、休暇中」と記載、3カ月公表せず(2024年7月24日『産経新聞』)


兵庫県の斎藤元彦知事に関する疑惑の告発文書で、担当していたプロ野球阪神オリックス優勝パレードの業務で疲弊し、療養中だと記載されていた県職員の男性が4月に死亡していたことが24日、県などへの取材で分かった。自殺とみられる。県はプライバシー保護などを理由に、約3カ月にわたり公表していなかったが、23日に県職員向けのサイトに訃報を掲載した。
文書を作成した元県西播磨県民局長の男性(60)も今月7日に亡くなっている。斎藤氏は24日の定例会見で、県職員の家族の意向で非公表にしていたと説明。「県政を前に進めることが、(自分の)責任の果たし方と考えている」と述べた。
文書では、県が大阪府と昨年11月に開催した優勝パレードの資金集めのため、信用金庫への補助金を増額して企業協賛金としてキックバックさせたと指摘。パレードを担当した男性職員が「大阪府との調整に精神が持たず、現在病気休暇中」などと記さていた。
一方、この日の会見で斎藤氏は、特産品のPRのためとして同県上郡町から受け取り、自宅で飲んだワインについて、「PRは行っていない」と認めた。「PRのみならず魅力を知ることも大事だ」と釈明。ほかの贈答品に関しても、受け取りながらPRしないケースはあるとした。