大阪・関西万博 「無料招待」「爆発事故」高校生が博覧会協会に直球質問 万博を授業で議論(2024年7月23日)

来年の万博に向けて大阪府は、小中高生らを無料で招待することを計画していますが、いま、安全性などをめぐって学校現場から不安の声が上がっています。 一方で、生徒たちはどう思っているのでしょうか。 授業を通して考える学校を取材しました。

■高校生が「大阪・関西万博」の授業で議論

大阪府大東市にある府立緑風冠高校。 高校3年生たちが「政治経済」の授業で学んでいるのは、来年の「大阪・関西万博」についてです。 この授業を準備した榎原教諭には、ある思いがありました。

大阪府立緑風冠高校 榎原佳江教諭】

「小中高校生かな、無料招待っていう話があった時に、大人はめっちゃ議論してるけど、子供らはどう思ってんねやろうみたいなのがすごく気になったんです。今のことを学んだり、調べたりするのが今やる学習としてもまさに起きていることだから内容としてふさわしい」 大阪府は、小中高校生らおよそ100万人を万博に無料で招待するとしています。 しかし、学校現場からは、交通アクセスやメタンガスの事故などもあり、引率の安全性について、不安の声が相次いでいます。 榎原教諭は、招待される生徒たちにこそしっかり考えてほしいと思っているのですが…

【生徒】

「興味はそこまでなかったです。なんかあるんやなあっていうのとお金の問題とかニュースでやっててそんなお金使って大きいもん作るんやっていうのは思ってました」 万博について関心がない生徒も少なくないようです。

大阪府立緑風冠高校 榎原佳江教諭】

「最初、万博をテーマに授業をするって言ったときは、え?みたいな感じだったんですけど、やっていく中で、どこどこでミャクミャク見たでとか、こんなニュースがあったとか、意識の中に入ったなという感触としてはあります」

■無料招待を行うメリットとデメリットは?

万博に関する2回目の授業が行われました。

【博覧会協会の職員】

ディズニーランドとディズニーシー足した面積の1.5倍の広さ、実は万博会場にはあります。今回は、万博の運営主体、博覧会協会の職員を招いた特別授業です。 生徒たちには、自分たちで考えた質問をぶつけてもらうことに。

【生徒】

「無料招待を行うメリットとデメリットを教えてください」

【生徒】

「デメリットに関しては特にないっちゃないですよね」

【生徒】

「3月に(メタンガスによる)爆発事故があったと思うんですけど、これから爆発事故の可能性と対策を教えてください」

【博覧会協会の職員】

「基本的にメタンガスが出るのは最初から想定されている」「風の流れとかでとどまらないようにする、かつ、そこの濃度とかをしっかり確認するというようなことをやって、人間のやることなんで100%っていうことはないんですけど、しっかり守ればまず起こらないでしょう、という状況はできる」

■生徒同士で万博について話し合う

説明を聞いた上で何を思ったか、後日、生徒同士で話し合います。

【生徒】

「子どもを万博に行かせるやんか?事故ったら?」

【生徒】

「だからそこはもう、府とさ万博つくってる人たちがさ、どう対処していくかによって変わってくるやん。そらなんもせえへんかったら、ニュースなってまた叩かれるけど」 協会の職員が「デメリットは特にない」と話した無料招待については。

【生徒】

「無料招待についてチャンスをもらうっていうのは全然いいことだと思って、行くかどうかは安全面とか別問題だと思います」

【生徒】

「無料招待は税金から使われてるからと思うから、行きたいかどうかは個人やから、わざわざ無料にする必要はないのかなと考えました」

【生徒】

「無料招待はいいと思うけど、大阪に特別でって考えるなら子どもだけを中心に考えるんじゃなくて、大阪みんなに何かを与えた方がいいんじゃないかなと。今の世の中には、子供産まない人も産めない人もいるから、子どもだけが特別扱いされることに不満を持つ人もいるかもしれないなって思いました」

■関心がなかった生徒からも様々な意見が

はじめは関心がなかった生徒からも、様々な意見が出たことに榎原先生は手ごたえを感じていました。

大阪府立緑風冠高校 榎原佳江教諭】

「みんながよく考えるということが大事で、きょう批判的な意見や、多面的な意見が出たこと自体がすごく大事で、それこそ政治経済やし、自分たちが社会をとらえる意味で、きょうは本当にみんながいろんな意見を出してくれてすごいうれしかったです」 榎原教諭は、生徒たちがどんなことにも自分なりの意見をしっかり持てるようにこれからも身近なことをテーマに、授業をしていきたいと考えています。

関西テレビ