岸田文雄首相
毎日新聞は22、23の両日、全国世論調査を実施した。岸田内閣の支持率は、5月18、19日実施の前回調査(20%)より3ポイント減の17%で、3カ月ぶりに20%を切った。昨年7月(28%)以降、12カ月連続で30%未満が続いている。
不支持率は前回調査(74%)から3ポイント増の77%だった。不支持率が70%を超えるのは8カ月連続。
昨年11月以降、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金問題が深刻化。衆参両院で政治倫理審査会が開かれ、派閥幹部らが弁明するなどしたが、問題の実態解明は進んでいない。今年2月には支持率が14%にまで下落した。岸田文雄首相(自民党総裁)は、改正政治資金規正法を成立させるなど政治の信頼回復に努めているが、厳しい政権運営が続いている。
次期衆院選後の政権はどのような枠組みが望ましいと思うかを聞いた。最多回答は「立憲民主党を中心とする野党連立政権」の33%で、「自民党、公明党に日本維新の会を加えた政権」の15%が続いた。現行の枠組みである「自民党、公明党の連立政権」と答えた人は11%にとどまった。「その他の政権」「わからない」との回答も各20%あった。
「自公維」と「自公」を合計しても26%で、「立憲中心の野党連立」に及ばない計算となる。
自民支持層では「自公」と「自公維」が各約4割で拮抗(きっこう)。公明支持層では「自公」が4割強、「自公維」は約2割だった。
立憲支持層は9割弱が「立憲中心の野党連立」と回答。維新支持層では「自公維」が3割台半ばで最多だった一方、「その他政権」も約3割、「立憲中心の野党連立」も約2割あった。
共産支持層では「立憲中心の野党連立」、国民民主党支持層では「その他政権」が最も多かった。無党派層は「わからない」が最多の41%で、「立憲中心の野党連立」28%、「その他政権」17%、「自公維」10%、「自公」4%――と続いた。
自民は改正政治資金規正法に維新案を一部採用。次期衆院選で自公が過半数割れした時に維新を政権に引き込むための布石ではとの見方があったが、維新は現状、馬場伸幸代表が岸田内閣のことを「うそつき内閣」と呼ぶなど自民と距離を置いている。【村尾哲】。
岸田文雄首相が自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件の真相究明や再発防止に指導力を発揮したと思うかどうかを聞いた。「発揮したとは思わない」が79%で、「発揮したと思う」は9%にとどまった。「どちらとも言えない」は12%。
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選択的夫婦別姓制度の導入に賛成か尋ねたところ、「賛成」が57%となり、「反対」(22%)を大きく上回った。「どちらとも言えない」も20%あった。
同制度を巡っては、経団連が10日、制度導入を盛り込んだ民法の改正案を国会に「一刻も早く提出」するよう求める提言を公表した。日本は世界で唯一、結婚した際に夫婦が必ず同じ姓に統一するよう法律で規定している。旧姓を職場などで使う「通称使用」が拡大しているが、海外では理解されにくく、経団連は「企業にとってビジネス上のリスク」だと指摘している。
調査は、携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)機能を使う方式と、固定電話で自動音声の質問に答えてもらう方式を組み合わせ、携帯534件、固定523件の有効回答を得た。【野原大輔】