【スターシアターズ・榮慶子の映画コレ見た?】違国日記 叔母とめいの温かい日常(2024年6月15日『沖縄タイムス』)

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違国日記

 みずみずしく繊細で心救われる映画!  人付き合いの苦手な小説家の叔母と思春期真っただ中のめいとの、すれ違いながらの温かい日常が描かれる。

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お終活 再春!人生ラプソディ

 姉夫婦の葬儀の席で心無い言葉が飛び交うのに耐えられず、槙生(まきお)は勢いで、姉の娘・朝を引き取ると宣言。だが、槙生は姉が大嫌いだったために、これまで2人の間に一切の交流はなかった。ギクシャクと始まる2人の生活の初めに槙生が放った一言がコレ!  「あなたを愛せるかどうか分からないけれど、でも私は決してあなたを踏みにじらない!」

 コミュニケーションの苦手な槙生は、彼女なりの言葉で、朝の傷つきやすい柔らかな気持ちを包み込む。存在そのものを肯定してくれる槙生の存在に救われていく朝の心情がいとおしく、見ている私の心も溶けてゆく。(スターシアターズ・榮慶子)

◇シネマQ、ライカムで上映中


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解説

コミック誌FEEL YOUNG」で2017年から2023年まで連載されたヤマシタトモコの同名漫画を映画化し、人見知りな女性小説家と人懐っこい姪の奇妙な共同生活を描いたヒューマンドラマ。

大嫌いだった姉を亡くした35歳の小説家・高代槙生は、姉の娘である15歳の田汲朝に無神経な言葉を吐く親族たちの態度に我慢ならず、朝を引き取ることに。他人と一緒に暮らすことに戸惑う不器用な槙生を、親友の醍醐奈々や元恋人の笠町信吾が支えていく。対照的な性格の槙生と朝は、なかなか理解し合えない寂しさを抱えながらも、丁寧に日々を重ね生活を育むうちに、家族とも異なるかけがえのない関係を築いていく。

新垣結衣が槙生役、オーディションで抜てきされた新人・早瀬憩が朝役でダブル主演を務め、槙生の友人・醍醐を夏帆、元恋人・笠町を瀬戸康史、朝の親友・楢󠄀えみりを小宮山莉渚がそれぞれ演じる。監督・脚本は「PARKS パークス」「ジオラマボーイ・パノラマガール」の瀬田なつき。( 映画.com)

2024年製作/139分/G/日本

配給:東京テアトルショウゲート

劇場公開日:2024年6月7日

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