トヨタ会長、手順巡り「現場の認識にズレ」 自動車認証不正(2024年6月3日『毎日新聞』)

自動車の認証不正問題について記者会見で謝罪するトヨタ自動車の豊田章男会長=東京都千代田区で2024年6月3日午後5時1分、長谷川直亮撮影

自動車の認証不正問題について記者会見で謝罪するトヨタ自動車豊田章男会長=東京都千代田区で2024年6月3日午後5時1分、長谷川直亮撮影

 7車種で型式指定申請の不正が見つかったトヨタ自動車豊田章男会長は、定められた認証手順について現場の認識にズレがあるか記者会見で問われると「あると思う」と答えた。「国と各自動車メーカーとも擦り合わせ、制度をどうするか議論になれば良いと思う」と述べた。

 現場に不正の認識があったかどうかについて、カスタマーファースト推進部の宮本真志本部長は「ないと言えば言い過ぎだ。(調査の過程で)『(不正を)やったかもしれない』という声も出ていた」と説明した。【福富智】

 

トヨタ会長「認証制度の根底揺るがした」 不正は7車種(2024年6月3日『毎日新聞』)

 国土交通省が自動車メーカー5社に対して、型式指定申請で不正のあった車種の出荷停止などを指示したことを受け、トヨタ自動車豊田章男会長は3日の記者会見で「日野自動車ダイハツ自動車、トヨタ自動織機に続き、グループ内で問題が発生していること、責任者として、お客さまや車ファン、全てのステークホルダーにおわび申し上げる」と陳謝した。

 不正行為があったのは7車種。このうち生産中の「カローラフィールダー」「カローラアクシオ」「ヤリスクロス」の3車種では、歩行者・乗員保護試験でデータの不備があった。国内で生産中のこの3車種については、3日から出荷・販売を停止した。国交省の指導のもとで「速やかに立ち会い試験などの適切な対応を進めていく」としている。

 生産を終了した「クラウン」「アイシス」「シエンタ」「RX」の4車種では、衝突試験などで試験方法に誤りがあった。豊田会長は「認証制度の根底を揺るがすものであり、自動車メーカーとして絶対にやってはいけないことだ」と述べた。

 不正のあった7車種は社内で検証した結果、いずれも性能に問題はなく、使用を控える必要はないという。【福富智】

 

 ホンダ社長「組織的な問題」 現場が法規を独自解釈か 認証不正

ホンダのロゴマーク=武市公孝撮影

ホンダのロゴマーク=武市公孝撮影

 22車種で型式指定申請の不正が見つかったホンダの三部敏宏社長は記者会見で、型式認証の法規を現場が独自に解釈し、チェックも不足していたとの認識を示した。騒音試験についてはマニュアルが用意されており、「組織的な問題と言わざるを得ない。順法性の考え方が甘かった」と述べた。一方、「経営陣の責任は考えていない」と語った。【福富智】

 

トヨタ、ホンダなど5社でも認証不正 国交省、立ち入り検査へ(2024年6月3日『毎日新聞』)

 ダイハツ工業などで相次いだ自動車の認証不正問題を巡り、国土交通省は3日、トヨタ自動車マツダヤマハ発動機、ホンダ、スズキの計5社からも不正の報告を受けたと発表した。トヨタは、試験の虚偽データを提出していた。国交省は5社に対し、不正のあった車種の出荷を停止するよう指示しており、今後立ち入り検査を行う。

 自動車の大量生産に必要な「型式指定」の認証を巡り、ダイハツ豊田自動織機で不正が相次いだことから、国交省は自動車メーカーと装置メーカーの計85社に調査と報告を求めてきた。国交省によると、5月末時点で68社が調査を終了し、残る17社は調査を継続している。

 トヨタは、現在生産している3車種で歩行者保護試験の虚偽データを提出していたという。また、過去に生産していた4車種で、衝突試験で使う試験車両で不正加工を行っていた。同社は現在も調査を続けている。【原田啓之、佐久間一輝】

 

トヨタ豊田章男会長が認証不正問題で謝罪「全てのステークホルダーの皆様に心よりお詫び」現行3車種の生産・出荷停止(2024年6月3日『FNNプライムオンライン(フジテレビ系)』)

 

トヨタ自動車は3日午後、認証不正問題について調査した結果、不正が発覚したとして会見した。豊田章男会長は会見冒頭で、「今回の事案はトヨタ自動車トヨタ自動車東日本の2社にまたがる問題でございます。日野、ダイハツ豊田自動織機に続き、グループ内で問題が発生しておりますことに対し、トヨタグループの責任者として、お客様、車ファン、全てのステークホルダーの皆様に心よりお詫び申し上げます。本当に申し訳ございませんでした。」と謝罪した。

その上で、豊田会長は「法規に定められた基準はクリアしておりますので、お客様に安全にお使い頂けることを確認しております。しかしながら、こうした行為は認証制度の根底を揺るがすものであり、自動車メーカーとして絶対にやってはいけないことだと考えています」と述べた。

トヨタ自動車は3日、車体やエンジンを大量生産するために必要な認証制度である「型式指定」を巡って、2014年以降に、「クラウン」「アイシス」「シエンタ」「RX」「カローラ フィールダー」「アクシオ」「ヤリス クロス」の7車種で、国が定めた基準と異なる方法で不正な認証試験を行っていたことが判明したと発表した。

生産終了している「クラウン」「アイシス」「シエンタ」「RX」の4車種については、衝突試験等の試験方法に誤りがあり、生産中の「カローラ フィールダー」「アクシオ」「ヤリス クロス」の3車種については、歩行者・乗員保護試験でのデータ不備があったとしている。

不正があった事は5月31日に国土交通省に届け出ていて、このうち現在も生産している、「カローラ フィールダー」「アクシオ」「ヤリス クロス」の3車種については、きょう3日からいったん出荷と販売を停止することを決定した。

豊田会長は、問題点を洗い出すためにトヨタ、日野、ダイハツ豊田自動織機に呼びかけて研究会を実施し、認証業務での物と情報の流れを可視化。課題についての改善に着手しているとしている。