東京都知事という職名が誕生したのは…(2024年6月2日『毎日新聞』-「余録」)

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民進党代表就任当時の蓮舫参院議員(左)。小池百合子東京都知事を訪ね、あいさつした=東京都新宿区の都庁で2016年9月23日午後0時47分、北山夏帆撮影
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東京都庁舎。20日東京都知事選が告示される=東京都新宿区で、本社ヘリから
 
 東京都知事という職名が誕生したのは1947(昭和22)年5月3日、日本国憲法の施行と同じ日だった。地方自治法も同日施行され、戦時中からの「東京都長官」という名称が改められた。初の公選で当選した安井誠一郎は元内務官僚。戦後、官選で都長官を務めていた
▲これまで21回の都民の審判を仰いできた都知事選が注目を浴びている。現職、小池百合子知事の出馬が見込まれる中で、立憲民主党蓮舫参院議員らが名乗りを上げている
▲95年に「無党派ブーム」で青島幸男が当選するなど、政治や社会の潮流を映し出してきた都知事選である。蓮舫氏は最近の地方選挙などを巡り小池氏の対応は自民党を利しているなどと批判、小池都政の「リセット」を掲げるという
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▲都の人口は日本全体の1割を超し、国内総生産GDP)の都内分はインドネシアに匹敵する。やはり出馬を表明した石丸伸二・広島県安芸高田市長は、東京一極集中問題を争点に挙げる。急速に進む高齢化への対応や、明治神宮外苑の再開発問題にみられる都市開発のあり方など、論点は多い
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▲近年の都知事選には舌戦が盛り上がりにくい傾向があった。現職知事の任期途中の辞職に伴う急な選挙戦や、「後出しジャンケン」といわれるような候補者の出馬表明を巡る駆け引きなどのためだ
▲小池氏も、自民党から支援を受けるかどうかも含め、態度を早く表明してもらいたい。7月7日、七夕の投票日に向けて都民だけでなく、国民が待つ首都・東京の政策論争だ。