5月の内閣・政党支持率はどう動いた?報道各社の世論調査を振り返る!(2024年5月30日『選挙ドットコム』)

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5月の内閣・政党支持率はどう動いた?報道各社の世論調査を振り返る!
5月中に行われ、有効回答数や回答を公開している報道機関9社、および選挙ドットコムの世論調査の結果をまとめ、比較しました。なお、各社の調査日や手法は異なるため、あくまでも参考値としてご覧ください。
岸田内閣の支持率、不支持率ともにほぼ変化なし
5月の調査では、岸田内閣の支持率は先月と変化なし~微減という結果となりました。全体としては約23.6%から、約23.3%になっています。
個別の調査では、前回よりもっとも支持率が上昇したのはJNN(TBSテレビ)の調査で、3月30-31日の調査より7.0%上昇の29.8%となりました。反対に、もっとも支持率が低下したのは選挙ドットコムの調査で、4月13-14日の調査より5.9ポイント低下の19.8%となりました。
内閣不支持率は、先月とほぼ変化なし~微増という結果となりました。全体としては約62.6%から、約62.3%になっています。
個別の調査では、前回よりもっとも不支持率が上昇したのはANN(テレビ朝日)の調査で、4月13-14日の調査より9.1ポイント上昇の60.8%になりました。反対に、前回よりもっとも不支持率が低下したのはJNNの調査で、前回より7.1ポイント低下の67.9%になりました。
自民党の支持率は微減、立憲民主党の支持率は2割台に
政党支持率に目を向けると、まず与党である自民党の支持率は、前回より微減という結果になりました。全体としては約25.2%から、約24.0%になっています。
個別の調査では、前回よりもっとも支持率が上昇したのは読売新聞・日本テレビの調査で、4月19-21日の調査より3.0ポイント上昇の27.0%になりました。それ以外の調査ではおおむね支持率は低下しており、もっとも低下したANNの調査では、前回より3.5ポイント低下の32.5%になりました。
野党第一党立憲民主党は、前回よりも支持率が上昇しました。全体としては約8.9%から、約10.9%になっています。立憲民主党の支持率が2桁となるのは、旧・立憲民主党時代であった2018年5月以来で、躍進が目立つ結果となりました。
個別の調査では、前回よりもっとも支持率が上昇したのは毎日新聞・社会調査研究センターの調査で、4月20-21日の調査より5.0ポイント上昇の20.0%となりました(なお、この数値は自民党の17.0%を上回っており、個別の調査では唯一自民党を超える結果となりました)。反対に、それ以外の調査でもおおむね支持率は上昇しており(朝日新聞の支持率は前回4月20-21日の調査と変わらずの6.0%)、唯一前回よりも低下した日本経済新聞テレビ東京の調査では、4月29-30日の調査より1.0ポイント低下の12.0%になっています。
日本維新の会の支持率は、前回とほぼ変わらずという結果になりました。全体としては約5.6%から、約5.5%になっています。
個別の調査では、前回よりもっとも支持率が上昇したのは毎日新聞・社会調査研究センター、日本経済新聞テレビ東京の調査で、それぞれ1.0ポイント上昇の10.0%、9.0%になりました。反対に、もっとも支持率が低下したのは時事通信の調査で、4月5-8日の調査より1.4ポイント低下の2.1%になりました。
衆院選が今年中に行われる可能性も示唆される中、世論調査では「次の衆院選ではどこに投票する?」という趣旨の質問も増えてきました。たとえば読売新聞・日本テレビの調査では、「次の衆議院選挙の比例代表選挙では、どの政党に投票しようと思いますか。1つだけ選んでください」という問いで、自民党が27.0%、立憲民主党が15.0%になりました。同様に、日本経済新聞テレビ東京の調査では、「次の衆院選で、あなたが投票したい政党、または投票したい候補者がいる政党はどこですか。ひとつだけお答えください」という問いで、自民党が24.0%、立憲民主党が16.0%になりました。こうした質問では自民党がまだ優位を保つ一方で、自民党中心の政権への異議も見て取れます。読売新聞・日本テレビの調査では、「次の衆議院選挙のあとに、自民党中心の政権の継続を望みますか、それとも、現在の野党中心の政権に交代することを望みますか」という問いで、「自民党中心の政権の継続」が42.0%だったことに対し、「野党中心の政権に交代」も42.0%と拮抗しました。また日本経済新聞テレビ東京の調査でも、「衆院選後の政権・与野党のあり方について、あなたはどのような形が望ましいと思いますか」という問いで、「自民党公明党の連立政権が続く」が19.0%だったことに対し、「自公連立政権だが与野党議席が互角」が41.0%、また「政権が交代する」が27.0%となりました。こうした結果からも、自民党の「一強」が揺らぎつつあることが窺えます。引き続き注目です。
<参考>
JNN(TBSテレビ) 世論調査(5月4~5日実施、回答数1013)
NHK 世論調査(5月10~12日実施、回答数1202)
選挙ドットコム 世論調査(5月11~12日実施、回答数976)
時事通信 世論調査(5月10~13日実施、回答数1258)
共同通信 世論調査(5月11~13日実施、回答数1055)
毎日新聞・社会調査研究センター 世論調査(5月18~19日実施、回答数1093)
ANN(テレビ朝日世論調査(5月18~19日実施、回答数1035)
読売新聞・日本テレビ 世論調査(5月17~19日実施、回答数1033)
朝日新聞 世論調査(5月18~19日実施、回答数994)
日本経済新聞テレビ東京 世論調査(5月24~26日実施、回答数813)
(データ分析・執筆:若林良)