「こんな政党」と「こんな人たち」(2024年5月18日『産経新聞』-「産経抄」)

キャプチャ
鳩山由紀夫元首相(右)と話し込む立憲民主党小沢一郎衆院議員
 朱に交われば赤くなるというが、小沢一郎衆院議員も立憲民主党お家芸であるブーメラン投げが随分と達者になったとみえる。自民党のパーティー収入不記載事件で、衆院政治倫理審査会に出席するかどうかは本人の意思に委ねられている件について15日、X(旧ツイッター)でかみついていた。
▼「それでもまだ、こんなふざけた政党を支持できますか?」。これにあきれたのが、東京地検特捜部検事の経験もある山下貴司元法相だった。自身のXにこんな投稿をした。「いや、#小沢さん出てないでしょ政倫審に。#20億円超の虚偽記載やった陸山会の代表だったけど」。陸山会は小沢氏の資金管理団体である。
▼確かに小沢氏は民主党時代の平成22年12月、自らの政治とカネの問題を巡る当時の岡田克也幹事長からの政倫審出席要請を「身内から出ろと言われるのは内輪もめみたいだ」(政治資金パーティーでの発言)と拒否している。
▼抄子は11日の小欄で立民のご意見番輿石東参院副議長の「政治と教育とカネ」の問題を振り返った。その翌日にはつつがなく輿石氏の回顧録出版パーティーが開かれ、鳩山由紀夫菅直人野田佳彦の3人の民主党政権の首相経験者がそろい踏みしていて大盛況だったと聞く。
▼思えば鳩山氏は在任時に、故人や実際に献金していない人の名義による個人献金政治資金収支報告書に記載していたことや、母親から1日50万円の「子供手当」をもらっていたことが露呈した。菅、野田両氏は違法な外国人献金問題が発覚している。
▼輿石氏のパーティーには小沢氏も出席していたが、国民から厳しい視線を向けられている自民の議員だって、「こんな人たち」にだけは言われたくないだろう。