孤立する高齢者の実態 若者&中年の孤独も深刻 日本は世界有数の“孤独な国”(2024年5月17日)

■深刻化 65歳以上 “孤独死” 年間6万8000人に

■社会問題 死亡リスク高 なぜ「孤独・孤立」状態に?
 孤独・孤立によって発生する問題です。主に『孤独死』『ゴミ屋敷』『悪徳商法の被害』『自殺者の増加』『犯罪、薬物依存』などです。

 さらに海外の研究では、脳卒中の発症リスクが32%増え、認知症の発症確率は64%増えるという結果も出ています。

 死亡リスクです。孤独や孤立は、『1日15本の喫煙』『過度の飲酒』『肥満』よりも死亡リスクが高いというアメリカの研究報告もあります。

孤独や孤立状態になる要因です。
●単身世帯の増加
●家族のかたちの変化
●つながっている居場所の数が少ない

■高齢者以外にも…実録 若者・中年世代の孤独
 孤独は高齢者だけの問題ではありません。

 孤独感がありますかという調査では、「しばしば・常にある」「時々ある」「たまにある」と合わせると、約4割が「孤独感がある」と答えています。

 年代別に見ると、男性は30代が9.0%、40代が8.2%。女性は20代が8.7%。

 男性は30代及び40代、女性は20代で高くなっています。全体では、20代~50代で高くなっていて、現役世代の孤独も浮き彫りになっています。

 孤独や孤立の問題に詳しい早稲田大学の石田教授によると、「特に30代~40代男性の孤独・孤立のリスクは非常に深刻。働き手となる世代なので、自分から助けを求めづらく、高齢者や若者と比べ、ケアの体制も少ない」といいます。

30代の未婚男性 Aさん
「毎日、会社と家の往復の日々で、職場でのつながりしかない。 満員電車の中でどうしようもなく孤独を感じることがある。結婚したいが、給料も安く希望がない。 同級生からの結婚や子どもが産まれた報告が精神的にキツい」

40代の既婚男性 Bさん
「家族はいるが、仕事が忙しく、妻や中学生の息子と家庭内での会話がほとんどない。 遅くに帰宅し、食事をしている時、隣の居間から妻と息子の楽しげな会話が聞こえると孤独を感じる。定年したらどうなるのか」

20代の未婚女性 Cさん
「会社の配属で、去年、岩手から上京。常に家族と共に過ごす実家暮らしから、一人だけの生活に。 同僚との会話で、自分1人だけ違う意見の時など、みんなでいる場面の方が、孤独を感じてしまう」

 日本は、孤独を感じている人が多い国です。

 OECDの調査では、友人などとの時間をほとんど持たない人の割合は、日本は15.3%でトップです。同居の家族以外に頼れる友人や近所の人は、日本は、アメリカやドイツと比べると圧倒的に少なく、一方で「頼れる人はいない」という割合は多くなっています。

ハーバード大が研究…人生幸福のカギ

テレビ朝日

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