『65歳以上の介護保険料』基準額が過去最高に…理由は介護職員の処遇改善など 介護現場の声「施設への介護報酬の安定化につながるなら将来的にメリット」(2024年5月16日『MBSニュース』)

 
 超高齢化社会に突入するなか避けて通れないのが「介護」の問題。社会全体で支え合う仕組みとして2000年から「介護保険制度」が始まりました。介護保険料は3年ごとに見直されます。
 65歳以上の人が支払う保険料が4月改定され保険料の基準額は、全国平均で月額6225円に。制度が始まった2000年度は2911円でしたが、改定ごとに上がり続けていて、今回も過去最高を更新しました。
 保険料は市町村ごとに異なり大阪市の基準額は全国平均の約1.5倍となる、月額9249円で全国1位。年額にして11万988円です。都道府県別でみても、大阪府が全国1位となりました。
 街の人は…。
 (75歳)「生活なりません、年金だから。納得できないですよね。さんざん、保険も積み立ても何もかもしてきて」
 (76歳)「年金は全然上がらない。下がっていくいっぽう。それで介護保険が上がるのはつらい」
 (76歳)「結局ほかのものを節約して払うしかない」
 厚生労働省は基準額が過去最高になったことについて、介護サービスの利用が増えたことや、介護職員の処遇改善などを理由に挙げています。
 では介護の現場はいまどうなっているのでしょうか。大阪市都島区にあるデイサービスの施設。毎日、食事や入浴など日常生活の支援が必要な約40人が利用しています。週2回、施設を利用する人は…
 (施設利用者 要介護2の78歳)「銀行引き落としだと自分で納めにいくことがないので実際高いという考えがないんです。介護保険料に関しては、ここに来る度合いから考えたら、私は高くないと思います。下げてはほしいですよ。高いのは困りますけど、それに見合うだけのことはしてもらっています」
 十分なサービスを受けられているので保険料の増額についても抵抗が少ないと話します。一方、福祉施設も競争が激しく淘汰される時代。人材確保やサービスの質の向上が求めらています。施設の責任者はこう話します。
 (デイサービス施設ゆめ都島 大野義典施設長)「まずは介護保険制度が安定化しないとサービス自体が提供できなくなる。財源が確保されることによって、施設に対しての介護報酬の安定化につながるのであれば介護保険料が上がることが将来的には、制度全体の安定化につながるという形でメリットがあるのかなと」
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