中国の古代神話では太陽の中に「三足烏(さんそくう)」がいると信じられた。3本足のカラスは月の模様から想像されたウサギ「玉(ぎょく)兎(と)」と対比される。烏は黒を意味し、肉眼で見えた巨大黒点を指すという説がある
▲黒点が増大し、大爆発(太陽フレア)が起きて地球に磁気嵐をもたらす。低緯度の空を彩るオーロラはその副産物だ。神秘現象が社会生活に影響を与えたのが1859年。磁気嵐で電信機に火花が散り、欧米では電報が使えなくなった
▲大型連休明けから観測史上異例の頻度で太陽フレアが発生した。日食メガネを使い、肉眼で見える巨大な黒点群も現れた。だが、オーロラの出現に喜んではいられない。文明の発達につれ、磁気嵐の影響はより深刻化している
▲2週間にわたり太陽フレアや磁気嵐が続くと想定した100年に1度の「最悪シナリオ」が恐ろしい。携帯や無線、放送、衛星、航空などの社会インフラがマヒし、広域停電が起きる。総務省が「宇宙天気予報」の検討会でまとめた
▲来年は11年周期の太陽活動のピークを迎える。デジタル社会の弱点をつく「宇宙天気」の警報や注意報の運用も予定されていると聞く。次代の花形は「宇宙天気予報士」とか。どんな行動や対応を取ればよいのか。わかりやすい解説を願いたい。