厚顔無恥とはこのことだ。自民党の裏金事件に端を発した政治資金規正法改正をめぐり、当事者からトンデモ発言が飛び出した。政治改革をテーマに与野党の実務者が顔をそろえた12日のNHK「日曜討論」で、抜け穴だらけの与党案に批判が集中。すると、自民の鈴木馨祐衆院議員(党政治刷新本部座長)が「自民党の力を削ぎたいという政局的な話がゴッチャになっている」と言い出したからア然だ。陰謀論者なのか。
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与党が取り急ぎまとめた改正案はザルだ。
自民の二階元幹事長が5年間で50億円も受け取っていた政策活動費の使途公開義務化▽政治資金パーティー券購入者の公開基準額引き下げ▽国会議員関係団体に比べて緩い「その他の政治団体」の公開ルール強化──が3本柱。政治資金収支報告書の提出にあたり、議員による「確認書」交付を義務付け、不記載などで会計責任者が処罰された場合は政治家にも刑罰を科すという。自民は「いわゆる連座制」(鈴木)と呼ぶが、親族などが選挙違反をすれば議員本人も「即失職」となる公選法の連座制とは似て非なる代物だ。
■「国民を小バカにしている」
日本維新の会の青柳仁士衆院議員からも「やっている感の演出だけで、国民を小バカにしている」とコキ下ろされた鈴木氏は、言うに事欠いて「視聴者の方はご理解いただくと思うんですけども、再発防止の話と、自民党の力を削ぎたいという政局的な話がゴッチャになっているところが正直あります」と反論し、こう続けた。
「ファクトに基づいた議論をしっかりやっていくということが、極めて大事だと思います」
盗人に「正直」を説かれるなんて片腹痛いし、実態解明から逃げて「ファクト」を隠しているのは他ならぬ自民。青柳氏から「訳の分からないプロパガンダでゴマカそうという姿勢が良くない」と鼻で笑われ、れいわ新選組の大石晃子衆院議員も「いかに反省していないかって話。その力の源泉は汚いカネ、裏金だったわけじゃないですか」と返り討ちに遭った。