「岸田ノート」は? 森元首相の「聴取記録」なしに立憲議員が皮肉(2024年4月24日『毎日新聞』)

参院予算委員会で自民党の長谷川英晴氏の質問に答える岸田文雄首相=国会内で2024年4月24日午後1時4分、平田明浩撮影

参院予算委員会自民党の長谷川英晴氏の質問に答える岸田文雄首相=国会内で2024年4月24日午後1時4分、平田明浩撮影

 「岸田ノート」はどこに――。岸田文雄首相は24日の参院予算委員会で、自民党政治資金パーティー裏金事件に関して森喜朗元首相への聴取記録を残していないと、改めて説明した。立憲民主党の杉尾秀哉氏は「首相はメモを取るのが得意だったのでは」などと皮肉った。

 首相は2021年の党総裁選などで、国民の声を記録する「岸田ノート」の存在を明かし、自身の「聞く力」をアピールしてきた経緯がある。

 この日の予算委で、杉尾氏は清和政策研究会(安倍派)の会長だった森氏への聴取を巡り「いつもかざしていた、あのメモはどこに行ったんですか。持っていなかったんですか、その時には」と迫った。

 これに対し、首相は直接の回答は避けつつ、記録は残していないと答弁。杉尾氏は「事情聴取をしたというアリバイ作りをしただけだ。茶番だ」と切り捨てた。【樋口淳也】