◆立候補している新人や元職らの9人(上から届出順)
福永活也(ふくなが・かつや)さん(43)=諸派・新=弁護士
乙武洋匡(おとたけ・ひろただ)さん(48)=無所属・新<推薦>国民民主、ファーストの会=ファーストの会副代表
吉川里奈(よしかわ・りな)さん(36)=参政・新=看護師
秋元司(あきもと・つかさ)さん(52)=無所属・元=元環境副大臣
金沢結衣(かなざわ・ゆい)さん(33)=日本維新の会・新<推薦>教育無償化を実現する会=元江崎グリコ社員
根本良輔(ねもと・りょうすけ)さん(29)=諸派・新=IT会社経営
酒井菜摘(さかい・なつみ)さん(37)=立憲民主・新=元江東区議
飯山陽(いいやま・あかり)さん(48)=諸派・新=麗沢大客員教授
須藤元気(すどう・げんき)さん(46)=無所属・新=元総合格闘家
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◆弁護士の経験を生かす
福永活也さん=諸派「NHKから国民を守る党」新人
弁護士の経験を活かし、政策には、養育費不払いや誹謗(ひぼう)中傷への対策を掲げた。今回の出馬について、友人で同党の立花孝志代表からLINEで打診されたと明かし「立花さんのように少し変わった人にも世の中が寛容になれば、日本を一歩前に進める人が出てくるんじゃないか。その一助になりたい」と決意の理由を説明した。(16日午前11時、江東区役所前で)
▶福永さんのウェブサイト◆国民の生命と財産守る
乙武洋匡さん=無所属新人
「私が行いたい政治は、現実的な政治」と力を込める。エネルギー問題では「原発に賛成、反対ということばかりがクローズアップされるが、大事なのはどんなエネルギーを組み合わせて使うか」と主張。自身の障害に触れ「一人一人に寄り添う政治を、誰よりも助けられた私にやらせてください」と訴えた。(16日午前11時、JR亀戸駅北口前のロータリーで)
▶乙武さんのウェブサイト◆外国資本に流されない
吉川里奈さん=参政党新人
今回の補選を「諦めモードになっている日本の危機的状況を変えていくための選挙戦」と強調。教育や、食と健康、外国資本に流されない強い国作りを掲げる一方、小中学生の3人を育てる母の一人として、「世襲、お金ではない国民が作る新しい政治を江東区から、全世代の皆さんのために人生をかけて戦っていく」と力を込めた。(午前10時半ごろ、東京メトロ東陽町駅近くの選挙事務所前で)
▶吉川さんのウェブサイト◆政治不信 自分で収める
◆企業や団体の寄付「NO」
◆年金制度積み立て式へ
◆子育て先進国にしたい
◆「政治にカネは必要」覆す
飯山陽さん=諸派「日本保守党」新人
「権力も利権も組織もない人間が勝ち残ることができたら『政治にはカネが必要なんだ』という政治家の常とう句をくつがえすことができる」と訴えた。「既存政党に支配されたままでは、10年後、20年後の日本は今のままではいられなくなると確信している。そうあってはいけない」と政治の刷新を呼び掛けた。(午前9時半ごろ、江東区富岡の富岡八幡宮前で)
▶飯山さんのウェブサイト◆行き詰まり政治を変える
【東京15区補選のポイント 記者が解説】
◆投票率は選挙結果にどう影響?
今回の衆院東京15区補選は、1議席を争って9人もの候補者が乱立しながら、与党の自民党や公明党の公認・推薦候補が不在という異例の構図となった。
近年の選挙では、投票率が低ければ組織票を多く持っている自民、公明が当選しやすく、投票率が上がって無党派層が投票に行くと野党の得票が増える傾向がある。だが、今回は自公系の候補者がおらず、投票率の出方が選挙戦の帰趨にどう影響するか、読みづらい面がある。
9人の候補者の中では、立憲民主党の酒井菜摘氏が支援を受ける共産党に、相対的に多くの組織票があるとの見方もある。
一方、立民を支援する連合の芳野友子会長は、酒井氏が共産と共闘している状況を批判。連合東京は「自主投票」とした。立民とともに連合の支援を受ける国民民主党は、無所属の乙武洋匡氏を推薦している。
◆行き場を失った自公票の行方は
裏金事件に揺れる自民は今回、公認候補を擁立することができなかった。
乙武氏は当初、自民、公明両党への推薦要請を模索したが、過去に報じられた女性スキャンダルや、2023年の江東区長選で自民党推薦候補の対抗馬を支援したことへの反発が強かったため、要請を見合わせた。
自公支持層がどのくらい投票所に出かけるか、出かけた場合はどの候補者の得票につながるかが、選挙戦の焦点の一つとなる。
◆維新は東京初の選挙区の議席狙う
日本維新の会は金沢結衣氏を擁立した。大阪発祥の政党が首都・東京で初の小選挙区の議席を確保し、全国政党への足掛かりをつくれるかも注目される。維新の衆院議員は現在41人で、衆院で自民党、立憲民主党に次ぐ第3勢力だが、小選挙区当選者17人のうち15人は大阪府の選挙区。関東以東では、比例ブロックの当選者も8人にとどまる。
金沢氏のほか、参政党の吉川里奈氏、諸派「日本保守党」の飯山陽氏、元自民党衆院議員の秋本司氏らは、自民支持層を含む保守票の獲得を競い合う。立憲民主党所属の参院議員だった無所属の須藤元気氏は、「消費税減税」を訴えて2020年の都知事選でれいわ新選組公認候補を支援し、立民を離党した経緯から、立民支持層の一部やれいわ支持層などへの浸透を図る。このほか、諸派「NHKから国民を守る党」の福永活也氏、諸派「つばさの党」の根本良輔氏も立候補している。(宮尾幹成)