16日に告示された衆院東京15区補選は、自民党の衆院議員が2人続けて収賄事件や選挙買収事件で辞職した江東区を舞台にした選挙戦。自民党はその後も、派閥の政治資金パーティー裏金事件に揺れ続けている。各陣営は告示日の第一声で、「政治とカネ」の問題にどう言及したのか。(社会部、デジタル編集部)
◆「開かずの扉を開ける」
立憲民主党新人の酒井菜摘氏の第一声。応援弁士の泉健太代表は「自民党に任せていて、裏金問題の処分がこれ以上進むか。開かずの扉を開けるのは酒井菜摘さんだ」と強調した。酒井氏も「この街で政治の汚職が広がっていることが許せない。今こそ変えなければならない」と声をからした。
◆「見返り」求められたと暴露
金沢氏の応援に駆けつけた維新の馬場伸幸代表は、国会が裏金事件の追及一色になり「無駄な時間」が費やされていると批判。野党第一党の立憲民主党にも「政治とお金の問題があるから憲法の問題は議論すべきじゃないと。憲法審査会をサボタージュしている」と矛先を向けた。
乙武氏は、選挙区の有力者にあいさつに行った際に暗に「見返り」を要求されたと指摘。「政治とカネの問題で2人の逮捕者が出たこの選挙区でいまだに、そんなことを言う人がいる。もちろんきっぱりと断った」と明かした。
◆「私が混乱のスタート」
元職の秋元司氏は、自身が逮捕・起訴された収賄事件に触れて「江東区の全ての混乱のスタートは、私が結果的に作ってしまった」と謝罪した上で、事件そのものについては「完全なる検察によるでっち上げだ」と述べた。
参政党新人の吉川里奈氏は「日本全国が今、政治とお金の問題で政治離れし、諦めモードになってしまっている」と指摘。「江東区から日本再生を行っていく」とアピールした。
無所属新人の須藤元気氏は、「地元の代議士が逮捕されてしまった。行き詰まった政治を何とかしなきゃいけない」と言及した。