南海トラフ地震は「発生高まったとは言えない」 気象庁が会見(2024年4月18日『毎日新聞』)

南海トラフ地震は「発生高まったとは言えない」 気象庁が会見(2024年4月18日『毎日新聞』)

 
気象庁=東京都港区虎ノ門3で、黒川晋史撮影拡大
気象庁=東京都港区虎ノ門3で、黒川晋史撮影

 愛媛、高知両県で17日夜に最大震度6弱を観測した地震を受け、気象庁は18日午前1時過ぎから記者会見を開き、南海トラフ巨大地震が発生する可能性が高まったとは言えないという見解を示した。揺れの大きかった地域では、今後1週間程度は同規模の地震に注意するよう呼び掛けている。

 気象庁によると、震源は豊後水道で、震源の深さは39キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は6・6と推定される。発生したのはフィリピン海プレート内で、地盤が東西方向に引っ張られたことによる正断層型とみられる。津波は観測されていない。両県で震度6弱を観測したのは史上初という。

 今回の震源域は南海トラフ巨大地震の想定震源域内にあるが、会見した原田智史・地震津波監視課長は「南海トラフ地震との関係を調査するマグニチュードの基準(M6・8)未満だが、注意深く監視する」と述べた。【竹田直人】

 

地面から「ゴオオッ」 立っていられず、棚にしがみつき 愛媛で地震(2024年4月18日『毎日新聞』)

 
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コンビニエンスストアでは、棚から落ちた商品が床に散乱した=愛媛県愛南町で2024年4月17日(提供写真)
コンビニエンスストアでは、棚から落ちた商品が床に散乱した=愛媛県愛南町で2024年4月17日(提供写真)

 震度6弱を観測した愛媛県愛南町のローソン愛南町平城東店の男性店員(30)は取材に「最初はそれほどでもなかったが、だんだん横揺れが強くなった。立っていられなくなり、棚にしがみついた」と振り返った。閉じ込められないよう、店の自動ドアを開けたり、レジを開けたりしたといい、「栄養剤や化粧品などが棚から落ちたが、店内は機械の故障や停電はなかった」と落ち着いた口調だった。

 同町の自営業、小松静功さん(62)は地震発生時、自宅で横になっていたという。「15秒くらい横に揺れて、少ししてからまた2回ほど揺れた。地面から『ゴオオッ』という音がして、家もカタカタ鳴った」と話した。【面川美栄】