天皇皇后両陛下は、能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県の穴水町と能登町を訪れ、被災した人たちを見舞われました。
続いて両陛下は、46人が避難生活を送っている近くの公共施設を訪ね、被災した人たちに「大変でしたね」とか「おけがはないですか」などとことばをかけられました。
また、臨時ヘリポートとなった港の広場では、地震による土砂崩れで16人が亡くなった対岸の由比ヶ丘地区に向かって深く一礼されました。
このあと両陛下は、再びヘリコプターに乗って、災害関連死の疑いを含め8人が亡くなり9000棟の建物が被害を受けた能登町に入り、43人が避難生活を送っている中学校を訪れて、被災者と懇談されました。
続いて両陛下は、津波で広い範囲が浸水し住宅が流されるなどした白丸地区を訪ね、大森凡世町長から説明を受けたあと、家屋が倒壊し1人が亡くなった現場の方に向かって深く一礼されました。
穴水町と能登町の避難所では、災害対応にあたった消防団員や医療関係者などにもねぎらいのことばをかけられました。
両陛下は、このあと石川県を発って東京に戻られます。
穴水町の沿道にも多くの人たち集まる
天皇皇后両陛下が訪問された石川県穴水町では、沿道に多くの人が集まりました。
午後1時半ごろ、両陛下が乗ったバスが通りかかると、集まった人たちは歓声を上げ手を振って歓迎し、両陛下も笑顔で手を振られていました。
地震で自宅が大きな被害を受けたという穴水町の80代の女性は「感激しました。町を歩いていると今も涙が出ますが、頑張らなければいけないと励まされました」と話していました。
地元の80代の男性は「遠いところまで来て下さりありがたいと思います。地震が起きてから思い出したくないくらい大変な日々でしたが、元気づけられました」と話していました。
地元の70代の女性は「地震でとても怖い目にあいましたが、一瞬でも両陛下のすてきなお顔を見られてよかったです。いつまでも後ろを向いているのではなく、これから1歩ずつ前に進んで行けたらいいなと思います」と話していました。
穴水町長「感激で胸がいっぱい」
穴水町の避難者「本当に心から心配していただきました」
穴水町の避難所で天皇皇后両陛下とことばを交わした米田吉朗さん(76)は「天皇陛下から『お宅の方は被害がどの程度ありましたか』と聞かれ、『建物は大丈夫でした』と答えると、『それはよかったですね』とおっしゃっていました。皇后さまは、津波の心配をされていました。本当に心から心配していただきました」と涙ぐみながら話していました。
また妻の美智江さん(76)は「天皇陛下から『大変でしたね』という優しいおことばをいただき、胸がいっぱいになりました。皇后さまからは『地震の時にどこにいましたか』と尋ねられました。『ようこそ』という思いでお迎えさせて頂き、本当にうれしかったです。元気を頂いた思いです」と話していました。
避難所の運営の消防団長「後押しを強くされた思い」
避難所を回った医師「物腰がとても柔らかく緊張せずに話せた」
町内の避難所を回って被災者の診療や薬の提供などに尽力した能登北部医師会理事の丸岡達也医師(63)は「皇后さまから『どんな苦労がありましたか』と尋ねられたので、道路状況が悪くて避難所めぐりに苦労しましたとお伝えしました。両陛下は物腰がとても柔らかくて、緊張せずに話せました。こんな近くでお話する機会はないので、感動しました」と話していました。
住民の治療にあたった総看護師長「本当にありがたく 感動」
また、町で唯一の総合病院「穴水総合病院」で地震発生当日から大けがをした住民などの治療にあたった松井真智子総看護師長(56)は「『水の出ない中大変でしたね』というおことばをいただきました。本当にありがたく、感動しました。両陛下が来られて、きっと町民の皆さんもスタッフも、本当に元気づけられて喜んでいると思います」と話していました。
(V・S)天皇皇后両陛下は、石川県穴水町の商店街で(あなみずM)町長から説明を受けた際、近くの美容室から見ていた住民に気づいて歩み寄り、ことばをかけられました。
店内にいた小林由紀子さんによりますと、(こばやし・ゆきこ)両陛下は美容室の入り口から「大丈夫でしたか」とか「いつからお店をされているのですか」などと尋ねられたということです。
そして、店主の女性が「2月1日に水が通るようになり再開しました」と答えると、おふたりは「それは大変でしたね。お体を大事にされてください」と話されたということです。
小林さんが夫と営んでいた衣料品店は地震で全壊していて、きょうは、向かいにある美容室から近所の人などとともに窓越しに手を振っていたところ、両陛下が歩み寄って来られたということです。
小林さんは、「被災者のことを考えていただいていると思います。本当に大変な状況で、どうすれば元に戻るのかと思うような毎日ですが、両陛下の姿を見ることができて少し幸せな気持ちになりました。少しずつ前を向いていきたいです」と話していました。
商店街の住民にも歩み寄りおことば
天皇皇后両陛下は、石川県穴水町の商店街で町長から説明を受けた際、近くの美容室から見ていた住民に気づいて歩み寄り、ことばをかけられました。
店内にいた小林由紀子さんによりますと、両陛下は美容室の入り口から「大丈夫でしたか」とか「いつからお店をされているのですか」などと尋ねられたということです。
そして、店主の女性が「2月1日に水が通るようになり再開しました」と答えると、おふたりは「それは大変でしたね。お体を大事にされてください」と話されたということです。
小林さんが夫と営んでいた衣料品店は地震で全壊していて、12日は、向かいにある美容室から近所の人などとともに窓越しに手を振っていたところ、両陛下が歩み寄って来られたということです。
小林さんは「被災者のことを考えていただいていると思います。本当に大変な状況で、どうすれば元に戻るのかと思うような毎日ですが、両陛下の姿を見ることができて少し幸せな気持ちになりました。少しずつ前を向いていきたいです」と話していました。