韓国総選挙 野党の過半数維持が確実に 公共放送KBSが伝える(2024年4月11『NHKニュース』)

10日に投票が行われた韓国の総選挙で、公共放送KBSは、革新系の最大野党・共に民主党過半数を維持することが確実になり、系列の政党を含めて170議席以上を獲得する見通しだと伝えました。就任から3年目に入るユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は、少数与党のもとで引き続き難しい政権運営を迫られることになりそうです。

4年に1度の韓国総選挙は小選挙区比例代表あわせて300議席をめぐって争われ、10日に投票が行われました。

公共放送KBSは、革新系の最大野党・共に民主党過半数を維持することが確実になり、系列の政党を含めて170議席以上を獲得する見通しだと伝えました。

共に民主党過半数獲得により、ユン政権は選挙前と同様に野党側の強い抵抗に直面して国会の主導権を握れない事態が続くことが予想され、ユン政権にとって痛手となるのは避けられない形です。

専門家 “ユン政権の求心力の低下は避けられない”

韓国政治に詳しい静岡県立大学の奥薗秀樹教授は、選挙の結果がユン・ソンニョル政権の対日姿勢に影響を与えるのかどうかについて「野党の反発があり、政治的リスクのある決断でも、ユン大統領は韓国の将来に必要ならば推進すると宣言し、その1つに対日関係の正常化を挙げている。選挙の結果を受けてむしろ政権の数少ないレガシーとして日韓、日米韓の連携強化にさらに取り組むことも考えられる」と述べて、外交方針は維持されるとの見方を示しました。

一方で「これだけ明確に民意が示されると、大統領としても政権与党としてもこれを無視できない。政権発足からこれまでの2年、必ずしも世論の支持がなく、野党の反発があっても強引に進めてきた諸政策の推進力を落とすことになる」と述べて、ユン政権の求心力の低下は避けられないと指摘しました。