韓国総選挙 開票作業続く 野党が議席の過半数 獲得の見通し(2024年4月11『NHKニュース』)

10日に投票が行われた韓国の総選挙は現在も開票作業が続いています。公共放送KBSは開票状況を分析した結果、革新系の野党・共に民主党が系列の政党も含めて170議席あまりと過半数を獲得し、保守系の与党・国民の力は系列の政党も含めて100議席あまりを獲得する見通しだとしています。

4年に1度の韓国総選挙は小選挙区比例代表あわせて300議席をめぐって争われ、10日に投票が行われました。

開票作業は現在も続いていますが、公共放送KBSは開票状況を分析した結果として主要政党の議席の予測を伝え、革新系の野党・共に民主党が系列の政党も含めて175議席過半数を獲得する見通しだと報じています。

一方、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領を支える保守系の与党・国民の力は系列の政党も含めて、109議席を獲得する見通しだとしています。

韓国の選挙管理委員会によりますと暫定投票率は67%で、前回4年前より0.8ポイント高くなりました。

共に民主党過半数獲得により、ユン政権は選挙前と同様に野党側の強い抵抗に直面して国会の主導権を握れない事態が続くことが予想され、ユン政権にとって痛手となるのは避けられない形です。

専門家 “ユン政権の求心力の低下は避けられない”

韓国政治に詳しい静岡県立大学の奥薗秀樹教授は、選挙の結果がユン・ソンニョル政権の対日姿勢に影響を与えるのかどうかについて「野党の反発があり、政治的リスクのある決断でも、ユン大統領は韓国の将来に必要ならば推進すると宣言し、その1つに対日関係の正常化を挙げている。選挙の結果を受けてむしろ政権の数少ないレガシーとして日韓、日米韓の連携強化にさらに取り組むことも考えられる」と述べて、外交方針は維持されるとの見方を示しました。

一方で「これだけ明確に民意が示されると、大統領としても政権与党としてもこれを無視できない。政権発足からこれまでの2年、必ずしも世論の支持がなく、野党の反発があっても強引に進めてきた諸政策の推進力を落とすことになる」と述べて、ユン政権の求心力の低下は避けられないと指摘しました。