韓国で10日、国会議員を選ぶ4年に1度の総選挙の投票が行われました。公共放送KBSが報じた出口調査の結果では、革新系の野党・共に民主党が、系列の政党も含めて178議席から196議席と過半数を獲得し、保守系の与党・国民の力は、系列の政党も含めて87議席から105議席を獲得する見通しだとしています。
KBSなどの出口調査 “革新系の野党が過半数獲得の見通し”
4年に1度行われる韓国の総選挙は、小選挙区と比例代表、合わせて300議席をめぐって争われ、10日午後6時まで投票が行われました。
公共放送KBSは、ほかの主要なテレビ局と合同で実施した出口調査の結果をもとに、各党の獲得予想議席を伝えました。
それによりますと、革新系の野党・共に民主党が、系列の政党も含めて、178議席から196議席と過半数を獲得する見通しだと報じています。
一方、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領を支える保守系の与党・国民の力は、系列の政党も含めて87議席から105議席を獲得する見通しだとしています。
さらに、前の政権で法相を務めたチョ・グク※氏の新党が、比例代表で12議席から14議席を獲得する見通しだと伝えています。
※チョ・グク(●国、●=『曹』の縦線が1本)
【解説】選挙結果が日韓関係に与える影響は?
来月で残る任期が3年となるユン大統領の政権運営にとって、追い風に転じるのか、それとも逆風が続くのかが決まる分岐点になります。
メディア各社が伝えているように、ユン政権を支える与党が国会の主導権を握ることができなければ、政策を進めようとしても、選挙前と同様に野党の強い抵抗に直面することが予想されます。
一方、大統領の権限が強い外交面では、アメリカとの同盟関係を重視し、核・ミサイル開発を加速する北朝鮮に厳しく臨むユン大統領の姿勢は今後も揺るがないとみられます。
積極的に取り組んできた日本との関係改善についても、韓国の専門家は「ユン大統領の対日外交は信念に基づいて行われている」と指摘していて、選挙結果が日韓関係に与える影響は限定的だという見方が大勢です。