ミステリー作家のアガサ・クリスティはチョコレートに目がなかったらしい。子どものころの思い出としてミステリーがかった話がある。フランス語の勉強が嫌になったクリスティさん、教科書をひそかに隠してしまった
▼家族が家中を捜し回るが、見つからない。クリスティは知らん顔。そこでお母さんが宣言する。「見つけた人にはチョコレートをあげる」。教科書を真っ先に発見したのはもちろん、アガサ少女。「こんなところにあったわ」。だが、教科書隠しの悪事もバレて「真犯人」はこっぴどく叱られることに。「わたしはまんまと(母親の)わなに落ちたのだった」
▼世界生産量の約6割を占めるガーナとコートジボワールで天候不順が続いた上、カカオの木を枯らす病気が流行し、収穫量が大幅に落ち込んだという
▼早期の回復は見込めないと聞く。続きそうな価格高騰に取り乱し、解決策を見つけた人には「チョコレートをあげる」とつい宣言したくなる。