政治パーティー券 外国人の購入を禁止せよ(2024年4月7日『産経新聞』-「主張」)

 
派閥パーティー券収入不記載事件で揺れる自民党。外国人・外国法人による「政治資金パーティー券購入の禁止が政治資金規正法の改正の重要な論点だ

 

 自民党の派閥パーティー収入不記載事件を受けて、後半国会の焦点になっている政治資金規正法の改正論議で重要な論点が見落とされている。

 外国人・外国法人による政治献金が禁じられている一方で、政治資金パーティー券の購入は認められている点だ。

 外国人などの政治献金が禁止されているのは国政が外国勢力から影響を受けることを防ぐためだ。それは日本の主権を守ることにほかならない。

 現行の規正法では、パーティー券の購入費はパーティーへの参加の対価という位置付けになっているため、国籍の制限はない。だが、実際は政治活動への事実上の経済支援である。献金と意味合いがほとんど変わらない以上、外国人・外国法人による購入を禁じるべきだ。

 参院予算委員会で質問に立った自民党有村治子氏は、このままでは「日本の政治が外国勢力から支配や干渉を受ける制度的な脆弱(ぜいじゃく)性を持ち続けることになる」と懸念を示した。その通りである。

 リクルート事件などを受け、平成6年の規正法改正で企業・団体の政治家個人への献金は禁止された。これにより、政治家に資金が渡る手段は、献金からパーティー券購入へと変わっていった。

 こうした経緯を踏まえれば、寄付と同様にパーティー券の購入にも政治的動機があってもおかしくない。

 その動機の一つに、外国人への参政権の付与もあろう。選挙権・被選挙権などは国民にのみ与えられた権利であり、外国人が持てば憲法に抵触する。

 有村氏の質問に対し岸田文雄首相は「さまざまな分野で外国の機関による工作が行われているとの認識に立って情報収集・分析に努めている。問題意識は共有する。自民として何ができるかを考えたい」と語った。

 外国機関の工作が行われていると認識している割には、悠長に構えていると言わざるを得ない。党政治刷新本部がまとめた政治改革の中間とりまとめにも、外国人などのパーティー券購入に関し言及がなかった。

 政治改革を議論する特別委員会は月内に衆参両院に設置される見通しだ。規正法改正の自民案を早急にまとめ、外国人・外国法人のパーティー券購入禁止を盛り込んでもらいたい。