摂取した人が腎臓の病気などを発症した「小林製薬」の「紅麹コレステヘルプ」について、原料を製造していた大阪の工場は、厚生労働省の通知で取得が望ましいとされる適正な品質管理の規範の認定を受けておらず、食品安全の専門家は「基本姿勢が安全第一ではなかった」と指摘しています。
健康食品については、適正な製造管理や品質管理が行われていることを日本健康・栄養食品協会などが認定する「GMP」という規範があり、厚生労働省の通知で、サプリなどの錠剤・カプセルなどについては、原料を製造する工場も取得することが望ましいとされています。
腎臓の病気などを発症した小林製薬の紅麹コレステヘルプについては、製品に含まれる紅麹原料を製造している大阪市の工場では取得しておらず、原料を使って錠剤のサプリメントを製造する岐阜県の協力会社の工場で取得していて、公表されている消費者庁のデータベースでは、「GMP適合製造所にて製造」としていました。
紅麹原料をめぐっては、去年4月から10月にかけて小林製薬の大阪工場で製造されたものから、想定していない成分が確認され、健康被害との関連が調べられています。
これについて、食品安全や紅麹のリスクに詳しい立命館大学客員研究員の畝山智香子さんは「健康食品の中でも、錠剤や成分を濃縮したものはリスクが高い。中でも紅麹サプリメントは、海外の複数の安全評価機関から健康被害のおそれがあると発信されており、もともと扱いが難しいものなので、原料の製造工場でGMPの取得をしていないのは、基本的考え方が安全第一ではなかったと考えられる。リスクが高いものは、ちゃんとした管理をし、リスクが高いことを消費者にも伝えるべきだ」と指摘しています。