LSDに似た成分入りの製品摂取後 飛び降り死亡 ことし相次ぐ(2024年4月5日『NHKニュース』)

法律で規制されていない合成麻薬LSDに似た成分が入った製品を摂取した人が、マンションから飛び降りて死亡するケースがことしに入って2件、相次いでいたことが捜査関係者への取材でわかりました。
危険ドラッグをめぐっては、法律で規制されると、未規制の類似の成分が作られるいたちごっこの状態が続いていて専門家は「安易な使用は絶対に避けてほしい」と注意を呼びかけています。

捜査関係者によりますと、ことし1月から翌月にかけて、西日本の大学に通う20代の男子学生と、都内に住む20代の女性が、合成麻薬LSDに似た成分が入った製品を摂取したあと、マンションから飛び降り、死亡していたことが相次いで確認されたということです。

マンションの部屋からは、いずれも「1DーLSD(わんでぃーえるえすでぃー)」という法律で規制されていないLSDに似た成分の名前が書かれた製品などが見つかっていて、警視庁や厚生労働省麻薬取締部は、この製品を摂取したことで錯乱状態に陥り、飛び降りにつながった可能性があるとみているということです。

厚生労働省は2人の死亡が確認されたあと「1DーLSD」の名称で流通している薬物が含まれる製品など6種類について、医薬品医療機器法に基づき全国の店舗やインターネットでの販売を禁止する命令を出しました。

しかし、大麻LSDなどの違法薬物に類似した危険ドラッグをめぐっては、法律で規制されると、未規制の類似の成分が作られるいたちごっこの状態が続いているということです。

薬物の有害性に詳しい湘南医療大学の舩田正彦教授は「新たに合成された危険ドラッグの中には規制薬物よりも強い作用を示すものがあり、規制されていないからといって安全なわけではない。危険ドラッグを使用することは、自分の体を使ってその有害性を調べるような非常に危険な行為で、安易な使用は絶対に避けてほしい」と注意を呼びかけています。あわせて読みたい