静岡県の川勝知事は、新人職員への訓示の中で職業差別とも捉えられかねない発言をしたことを受けて、2日夜、県庁で記者会見し「ことし6月議会をもって職を辞そうと思う」と述べて辞職の意向を表明しました。
川勝知事 リニア中央新幹線巡り国に反発 着工認めない状況続く
川勝平太氏とは
川勝平太氏は、京都府出身の75歳。
早稲田大学政治経済学部教授や浜松市にある静岡文化芸術大学の学長などを務めたあと、2009年の静岡県知事選挙で初当選し、現在4期目です。
川勝知事は2021年6月の県知事選挙期間中の集会で、みずからが学長を務めていた大学の学生について「8割ぐらい女の子なんです。11倍の倍率を通ってくるんですから、皆きれいです」などと、女性の学力と容姿を結び付けるような発言をしていたことが明らかになり、その後、謝罪して発言を撤回しました。
また、この年の10月の参議院補欠選挙の応援演説で、対立候補が御殿場市長を務めていたことに関連し「あちらはコシヒカリしかない」などと発言したことを受けて、県議会で辞職勧告決議が可決され、川勝知事はその年の12月の給料とボーナスの合わせて440万円余りを返上する意向を示していました。
しかしその後、給与などを返していなかったことが明らかになり、去年7月には県議会で50年ぶりとなる不信任決議案が出され1票差で否決される事態にまで至りました。
川勝知事は、この月の定例会見で、自身の不適切な発言がたびたび問題視されることについて「私の不徳のいたすところだ。常に公人の立場でいる。今度、迷惑をかければ辞職する」と述べていました。
川勝知事のもと副知事務めた静岡市長 “コメント控える”
静岡市の難波喬司市長は「本人の政治家としての決断だと思うのでコメントは差し控えさせていただきます」とするコメントを出しました。