日立が服装自由の入社式 初の試みは…「少し色がついた」(2024年4月1日『毎日新聞』)

新入社員を歓迎しようと日立製作所が開催した「キャリアキックオフセッション」。立っているのは小島啓二社長=東京都新宿区で2024年4月1日、安藤龍朗撮影

新入社員を歓迎しようと日立製作所が開催した「キャリアキックオフセッション」。立っているのは小島啓二社長=東京都新宿区で2024年4月1日、安藤龍朗撮影

 日立製作所は1日、東京都内のホテルで、入社式に当たる「キャリアキックオフセッション」を開催し、新入社員約780人が参加した。今回初めて式典のドレスコード(服装規定)を自由にした。同社コーポレート広報部によると「さまざまな年齢、国籍の人たちが働いている中で、多様性や個性を尊重したい」ことが狙いという。

 日立は2022年4月入社の新卒採用から、リクルートスーツの着用は不要とする方針を打ち出しており、「多様性」重視の施策を行っている。

 会場に集まった大半は黒やグレー、紺色のスーツ姿で、奇抜な装いの新入社員はいなかったが、ネクタイをつけなかったり、ジャケットに襟なしのシャツを合わせたりする社員はいた。

黒や紺のスーツなどを着て、「キャリアキックオフセッション」に臨んだ日立製作所の新入社員ら=東京都新宿区で2024年4月1日、安藤龍朗撮影
黒や紺のスーツなどを着て、「キャリアキックオフセッション」に臨んだ日立製作所の新入社員ら=東京都新宿区で2024年4月1日、安藤龍朗撮影

 ベージュのスーツを選んだ社員もおり、広報部の担当者は「少し色がついた、という感じでしたね」と苦笑いで話した。

 小島啓二社長はセッションのあいさつで、日立がIT(情報技術)と社会インフラを組み合わせた「社会イノベーション事業」に注力していることを改めて紹介。「皆さんが、社会課題を解決する仕事を通して成長し続け、輝くキャリアを形成していただくのが私の願いだ」と呼びかけた。【安藤龍朗】