地元の住民から、志賀原発近くのノリ島も隆起したと聞き現場に向かった。福浦港(ふくらこう)の沿道に車を止め、生い茂る草木に囲まれた急な階段を恐る恐る下りた。
岩場には、ハングルが書かれた無数のプラスチックごみが打ち上げられ、数多くのガラス片が散らばる。ジャリジャリと踏み進んでいくと、海岸線から突き出した原発専用の運搬路と物揚げ場、防波堤が間近に見えた。
原発に近い所では、約8キロ北の領家漁港周辺で隆起したことが専門家の調査で確認されている。
物揚げ場まで1キロも離れていない地点では、ノリ島が海面から遠くなり、波がほぼかぶらない状態になっていた。取材は満潮より海面が8センチほど低い時間帯。地元住民は「数十センチは隆起した。ノリの出来が心配」と話した。
北陸電は3月25日、敷地内を測量した結果、物揚げ場が約4センチ沈下していたと公表。「発電所に影響はない」としている。