50歳代といえば、長年家計を圧迫してきた住宅ローンを完済したり、子供が独立したりするご家庭も増える時期。同時に収入のピークを迎える人も多い世代です。キャリアも貯蓄も、まさに現役時代のラストスパートといえるフェーズかもしれませんね。
【円グラフ・一覧表】「50歳代・二人以上世帯の貯蓄額」&「厚生年金と国民年金」の受給権者数を1万円刻みで見る!(出所:厚労省など)
かつて金融庁のレポートに端を発した「老後2000万円問題」により、この金額が老後資金の目安の一つとされるようになりました。では、リタイア前の50代の時点で「貯蓄2000万~3000万円」をすでに持っている世帯はどのくらいいるのでしょうか。
今回は50歳代・二人以上世帯の貯蓄額や、今のシニア世代の厚生年金と国民年金の平均月額、
また2024年度(4月分から)の年金額例をみていきます。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
現役時代のラストスパート【50歳代・二人以上世帯】貯蓄2000~3000万円未満は何パーセント?
50歳代・二人以上世帯で「貯蓄2000~3000万円未満」を達成している人はどれくらいいるのでしょうか。 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」より、50歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)
●【50歳代・二人以上世帯】の貯蓄2000~3000万円未満の割合 ・7.2%
●【50歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値 ・平均:1253万円 ・中央値:350万円 貯蓄2000~3000万円以上は1割未満となりました。
団塊ジュニアたちが予習しておきたい「厚生年金と国民年金データ」
では、みなさん年金は平均で月いくら受給しているのでしょうか。 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、今のシニアたちが受け取る平均的な年金額も見ていきましょう。
●厚生年金の平均年金月額
・〈全体〉平均年金月額:14万3973円 ・〈男性〉平均年金月額:16万3875円
・〈女性〉平均年金月額:10万4878円 ※国民年金部分を含む
●国民年金(老齢基礎年金)の平均年金月額
・〈全体〉平均年金月額:5万6316円
・〈男性〉平均年金月額:5万8798円 ・〈女性〉平均年金月額:5万4426円 国民年金で5万円台、厚生年金で14万円台でした。
【2024度の年金額】2.7%増額。厚生年金と国民年金はいくらか
公的年金の年金額は、物価や現役世代の賃金を考慮して年度ごとに見直しが行われます。
厚生労働省より公表された、2024年度最新の年金額の例を見てみましょう。
●2024年度の年金額の例(国民年金と厚生年金)月額
・国民年金(満額):6万8000円(+1750円)
・厚生年金※:23万483円(+6001円)
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で 40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」。
厚生年金はモデル夫婦となっており、1人分にすると16万2483円です。
健康寿命と資産寿命はセットでのばしたい!
これまで50歳代・二人以上世帯の「貯蓄2000~3000万円未満の割合」と年金月額を確認してきました。
少子高齢化がさらに進む将来。いまの年金給付水準がこの先もずっと続くという保証はありません。
「人生100年時代」に老後を生きる私たち現役世代。健康寿命と資産の寿命、ともにのばす努力が求められています。どちらも一朝一夕では準備できるものではありません。
預貯金をコツコツと貯める根気強さ、そして、資産運用で「お金に働いてもらう」視点を持つことで、資産を守りながら育てていくことに繋げていけたら良いですね。
●【ご参考】50歳代・二人以上世帯の貯蓄額一覧表(金融資産を保有していない世帯を含む)
金融資産非保有:24.4%
・100万円未満:9.3%
・100~200万円未満:5.8%
・200~300万円未満:4.2%
・300~400万円未満:5.1%
・400~500万円未満:3.2%
・500~700万円未満:5.0%
・700~1000万円未満:5.7%
・1000~1500万円未満:8.8%
・1500~2000万円未満:6.0%
・2000~3000万円未満:7.2%
・3000万円以上:10.8%
※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。
参考資料
・金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」
・厚生労働省「令和4年度の年金額改定についてお知らせします」
・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
LIMO編集部
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