神戸大学の非公認バドミントンサークル「BADBOYS」に所属する学生たちが迷惑行為を行なった動画がSNSで大炎上した問題で、大学当局は3月25日に会見を開き、同サークルを無期限の活動停止処分にしたことを発表した。今後は該当学生への聞き取り調査をまとめた上で、厳重な処分を下すという。
〈これはアウト〉天井に穴を開け、灰皿をボコボコに…不適切にもほどがある「BADBOYS」の愚行写真と都内大学生がやらかした当時の写真
コロナ禍では新歓の中止が続いてサークルが激減
今月18日の夜にX(旧Twitter)に投稿された画像と動画に映っていたのは、神戸大学の非公認バドミントンサークル「BADBOYS」の複数の学生たち。合宿先の旅館で胴上げされた学生が天井に穴を開けたり、障子を破って顔を突っ込んだりと、悪質な迷惑行為を繰り返していた内容で、すぐにに大炎上する事態に発展した。 一連の報道を受けて、25日に開かれた神戸大学の会見には、大村直人副学長と同サークル顧問の宋明良教授が出席。
「被害を受けた旅館の皆さまにご迷惑をおかけし、多くの方にご心配をおかけしましたことを深くおわび申し上げます」と関係者への謝罪に加えて、同サークルは無期限の活動停止処分にし、調査結果がまとまった上で厳正な処分を下すとの意向も示した。 大学生の悪ノリとはいえ、世間に結構な衝撃を与えた今回の一件。
しかし都内の有名私立大学職員の男性は「BADBOYSのような飲みサーはコロナの3年間でかなり減ったと思っていたが…」と苦々しげに語る。
「コロナ禍では新歓(=新入生歓迎会)の中止が続いていましたし、飲み会なども一切行なえないため人員不足に陥り、そういうバカ騒ぎ系サークルはほとんど消滅したと認識してます。実際にここ最近は、サークル絡みの苦情が寄せられることもかなり減りました。
でも、今回あんな騒ぎが起きてしまって、同僚たちも『ウチ(の大学)は大丈夫だよな?』と若干ピリピリしています」 全国大学生活協同組合連合会(=大学生協)が今月発表した学生生活実態調査によると、大学生のサークル・部活所属率は60.2%(2023年10~11月時点)で、コロナ禍前の2019年に比べると88.4%にとどまっている。
データだけ見ると、この3年間で”大学生のサークル離れ”が進んでいることが窺えるが、その実態はどうなっているのか――。
集英社オンラインでは、若者の街・渋谷で”令和のサークル事情”について取材。しかし前述した通り、現役の大学生からはいわゆる「飲みサー」や「ヤリサー」といったサークルの話はほとんど出てこず、「そもそもサークル活動にあまり興味がない」「サークルには入っているけど、そんなベロベロになるまで飲まされない」といった回答が半数を占めた。
全裸イッキ、深夜のキャンパスへの不法侵入、動画撮影も…
しかし、その手のサークルが完全に消滅したわけではない。取材を進めるうちに、現役大学生からは別にこんな声も聞こえてきた。
「去年の新歓で、女性を騎馬戦のように担ぎながら『ワタシといかが?』って聞き回っている陽キャっぽいサークルは見かけました。少しでも興味を持っている子に対しては、肩に手を回してどこかに連れていってたし、友達との間でも『誰があんなヤバイサークル入るんだよ』とネタにされてました」(大学2年・男性)
「これは他大学の友達から聞いたんですけど、昨春の4月、いわゆる“ヤリサー”に入部した1年生の子がいて、新歓(新入生歓迎会)のカラオケでその子を含めた女子2人と男の先輩2人で“シテしまった”そうで…。無理やりではなかったそうですが、そのときの行為を動画に撮られてしまって困っていると言ってました」(大学1年・女性)
「テニスサークルでヤバいところは、フルーツ系の名前がついていることが多いから気を付けなとは言われてましたね。実際に友達がそういう、テニスとはなばかりの飲みサーに入ってたんですけど、『宴会場にブルーシートを敷いて吐くまで飲むからツラい』と言って半年で辞めてました」(大学2年・男性)
その一方で、現役大学生とは対照的に、コロナ禍前にキャンパスライフを過ごした元大学生からは強烈な回答を複数得られた。2021年に都内の有名私立大学を卒業したという25歳・男性は「一歩間違えれば、ウチのサークルもBADBOYSみたいにSNSで晒されてたかも」と当時を振り返る。
「自分が入ってたサークルは有名な『飲みサー』で、ふだんの飲み会でも卓ゲロするヤツが続出するので、居酒屋側に清掃費を請求されるのは日常茶飯事。なかでもヤバかったのが夏合宿で、サークルの恒例行事として女子の前で全裸でイッキ飲みするんですよ。しかも過去には、酔いつぶれた女子の陰部にイタズラしたみたいな話も聞いたこともあります。あんな光景、誰かがSNSにアップしてたら炎上して人生終わってましたね(苦笑)」
2020年に都内の私立大学を卒業したという26歳・男性も、学生時代に所属していた「飲みサー」での思い出をこう語る。
「どうせ学生時代にしかできないし、吐くまで飲むのは楽しかったのですが、そのサークルでは伝統的に酒を飲んだあとに『度胸試し』みたいなことが始まって…。『とにかくおもしろいことをしたヤツが勝ち』みたいなノリだったので、過去には酔っぱらったまま川に飛び込んだり、全裸で公園を走り回るヤツとかいましたね。なかでも悪ノリが過ぎるなと思ったのが、深夜のキャンパスへの不法侵入で、校舎の屋根まで登ってそこで二次会するって感じで…。もちろん明らかな犯罪行為なので自分は断ってましたが、今考えても異常だったと思いますね」
みんな目が真っ赤で異様な光景だった
また、大学サークルの不祥事の代表格としてあげられるのが、性絡みのトラブル。2003年には早稲田大学のインカレサークル「スーパーフリー」のメンバーたちが、のべ数百人以上の女子大生への輪姦を常習的に行なっていたことで世間に大きな衝撃を与えた。この日、取材に答えてくれた23歳・男性も、半年間だけ「学内一のヤリサー」に入っていたという。
「そこはオールラウンドサークルという位置づけなのですが、とにかく性に乱れているといいますか…。上級生による”お持ち帰り”は毎回のようにあるし、なかにはサークルの上級生全員と“シタ”ことある女性もいて、先輩たちからは影で『フリーWiFi』って呼ばれてました。また、そのサークルでは女性たちが飲み代をすべて払う慣習もあって、女性が男性を養うために、ほぼ全員が水商売で働いていました。
それこそサークル内の推しメンに貢ぐために風俗で働いている子もいましたし、在学中にAVに出た子がいたって話も聞いたことがあります。夏合宿も貸し切り露天風呂に男女一緒で入るのが恒例行事になってるとかで、そういう異様なノリがキツすぎて半年で辞めちゃいましたね」 その一方で、完全にアウトなサークルに所属していたという人物も。2022年に大学を卒業したという24歳・男性は、「1年生のころに入ったバンドサークルに大麻が蔓延していて…」と語る。
「別に表向きはふつうのサークルだったんですけど、ある日、先輩の家での宅飲みに参加したら、そこに集まった上級生たち全員がジョイントを回してて…。もちろん僕は断ったのですが、みんな目が真っ赤で異様な光景だったことを覚えています。さらにそこでは『バイブス』と呼ばれる恒例行事もあって、大量のせき止め薬を交ぜたシーシャ(水タバコ)を吸ってラリってる先輩もいました。この日を境にすぐにこのサークルとは縁を切りましたね」 コロナ禍前までは猛威をふるっていたとみられる、悪質サークルの実態――。
しかし、コロナの3年間でそうしたサークルが減少したとはいえ、前述の大学職員の男性は「これからまた変なサークルが増えていくのでは?」と予想する。
「せっかく大学生になったんだし、サークル活動ではっちゃけたいと考える人は一定数いるはず。コロナによる規制が解除され、新歓も再開したことで、今後また新入生をカモにする連中が出てきてもおかしくないでしょう。
来週から新学期も始まりますし、大学側も警戒を強めていく必要があります」 令和のサークルは、今後どのように変化していくのか。どちらにせよ今回の「BADBOYS」のような不祥事が、二度と起こらないよう祈りたい。
※「集英社オンライン」では、今回の事件や大学サークルにまつわる事件・トラブルについて、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: shueisha.online.news@gmail.com X(Twitter) @shuon_news 取材・文 集英社オンラインニュース班
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